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ポルノアニメ会社「買収」を巡る裏の戦い|映画デーモンラヴァー

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DEMONLOVER デーモンラヴァー(2002)

日本のポルノアニメ会社買収を巡る企業間の裏の戦いを描くフランス映画。女産業スパイを演じるコニー・ニールセンが精神的にじわじわと追い詰められていく焦燥感を見事に演じる。前半は買収を巡る攻防を描く産業ドラマ、後半は妄想と現実の区別を失っていく産業スパイが抱える恐怖が見えるサスペンスへと変貌する怪作。

【あらすじ】

日本のアニメ会社・東京アニメ社の買収を目指すフランスの大企業ヴォルフ社の買収担当のカレン(ドミニク・レイモン)を蹴落とし、カレンの部下だったディアーヌ(コニー・ニールセン)が新担当に就任する。買収に成功したヴォルフ社は東京アニメが制作する最先端3Dポルノアニメの独占配信権をデーモンラヴァー社と締結する話を進めるが、デーモンラヴァー社のライバルであるマンガトロニクス社の産業スパイであるディアーヌは、デーモンラヴァー社が違法なポルノサイトを運営していることを公開し契約阻止を目論む。しかしヴォルフ社にはデーモンラヴァー社からの産業スパイも送り込まれており、契約締結に邪魔なディアーヌを追い詰めていくのだった。

【見どころ】

技術大国日本の扱い

世界的にも最先端の技術を持ちながら、資金不足のためヴォルフ社の買収を受け入れる東京アニメ社。社長は買収責任者に、これまでの実績と技術力の高さを売り込んでいく。世界に通ずる高い技術を持ちながらも、海外資本にその技術を売り渡さなければならない”売り方下手”の日本企業の悲哀が投影されている。

人生の転落の描写が秀逸

産業スパイという”裏の仕事”を生業とするディアーヌだが、陥れようと目論んだ相手は非人道的な拷問や、人気ゲームのキャラクターを凌辱させる違法なサイトを扱う真の悪人だった。ホテルで下の階に向かい、また脅されて立体駐車場の地下深くへ降りていく描写は、ディアーヌがどんどんと抜け出せない領域に落ちていくことを表しているかの様だ。最後には自身が受ける拷問が裏サイトで配信され、それを一般社会で暮らす少年がネットで見るという救いのない結末に、人生の転落につながる落とし穴はどこにでも開いていることを思い知らされる。

デーモンラヴァー

 <作品データ>
原題:Demonlover/邦題:DEMONLOVER デーモンラヴァー
2002年・フランス(2時間00分)

文:M&A Online編集部

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