経済や金融業界のリアルな姿を垣間見たいのなら、映画やドラマがおすすめ! 特に本を読むのが苦手な人や異業種で働く人には、映像で見るのは分かりやすく、2時間程度なので手っ取り早い。実話をベースにした作品もあるので、世の中の経済事件を理解するのにも一役買ってくれる。多少専門用語も出てくるものもあるが、映画やドラマをきっかけに勉強してみるのもおすすめだ。エンターテインメントとしても楽しめる、おすすめの1本を紹介する。
前作「ウォール街」から23年後、ゴードン・ゲッコーの復活とリーマン・ショック前後のニューヨーク、ウォール街を描いた作品。前作に引き続き、監督はオリバー・ストーンが務めた。
8年の服役を終え、出所したゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)。それから7年後、老舗の投資銀行Kベイゼル社が突然破綻するという“事件”が起こる。この裏に何かしらの陰謀があったと知ったKベイゼル社の若き証券マン、ジェイク(シャイア・ラブーフ)。その首謀者ブレトンに復讐すべく、恋人・ウィニー(キャリー・マリガン)の父であるゲッコーに助言を求めるが……。
ジェイクの母校で講演会を行うゲッコー。前作の名言「“欲”は善です(Greed is good)」を超えるものはないものの、収入ゼロ(No Income)、仕事ゼロ(No Job)、貯えゼロ(No Asset)を意味する「君たちはNINJA世代だ」というキャッチ―な言葉や、レバレッジをステロイドに例えるなど米国の金融界への皮肉たっぷりで雄弁だ。ウォール街の伝説となったゲッコーの言葉に触発され、ジェイク含めて多くの聴衆の心に火がついたのは言うまでもない。
前作でブルースター航空を守ったバド・フォックス(チャーリー・シーン)もちょろっと出演し、ゴードンに近況報告をしている。プライベートジェットのレンタル事業で会社を成長させて売却し、数百万の利益で悠々自適な生活を送っているとのこと。落ちぶれたゴードンを見下すように言い放つ様は、ウォール街が弱肉強食で回っている世界ということを象徴しているかのようだ。
文:M&A Online編集部