【みちのく銀行】ついに青森の両雄が経営統合!|“ご当地銀行”の合従連衡史

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東京都中央区日本橋蛎殻町にある「みちのく銀行」東京支店

積極果敢か、山っ気か!?

青和銀行と弘前相互銀行とが合併して誕生したみちのく銀行は、誕生後、M&Aを行なってはいない。だが、国内初、邦銀初、地銀初などの“初物狙い”な、ユニークな銀行経営を推進してきた。M&Aとは少し離れるが、同行のしたたかな気質を物語ることにもなるので概観しておこう。

まず、1980年に国内で初めて、「トムとジェリー」のキャラクターを使った預金取り扱いを始めている。1993年には東北の地銀で初めて海外現地法人「北日本財務(香港)有限公司」と称する海外現地法人を設立した。

1995年に邦銀で初めてサハリンのユジノサハリンスクに駐在員事務所を置いた。1999年には邦銀で初めてモスクワに海外現地法人を設立。2000年には本店および国内の全営業店での取得としては地銀初の「ISO14001」(環境マネジメントシステムの国際規格)の認証を取得。同じ年、7月に発行された2000円札で入出金の対応ができるATM(現金自動預け払い機)を設置したが、これは全国の銀行で初めてのことだった。

そして2002年2月には東北・北海道地区の地銀で初めてロト7、ロト6、ミニロト、ナンバーズ3・4などの「数字選択式宝くじ」のATM販売を開始している。

これらの“初物狙い”は積極果敢な営業展開といえるが、一方で金融情勢の変化など時代の荒波を受け、海外現地法人や駐在員事務所は閉鎖もしくは譲渡している。今日、その営業姿勢を傍から見ると、積極果敢というよりむしろ、“山っ気”のあるしたたかな展開といえなくはない。

これらは青森県内のもう一つの地銀、ライバル行である青森銀行を意識したものかもしれない。おっとりとした青森銀行に攻勢をかける、したたかなみちのく銀行。陳腐な表現になるが、こうした両行の気質の違いは地元経営者からよく聞かれることだった。だからこそ、冒頭の経営統合後の新銀行設立に懸念の声を表す地元企業・経営者もいるのだろう。

文:菱田秀則(ライター)

M&A Online編集部

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