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【メルカリ】鮮烈に上場デビューも課題多し

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写真はメルカリ提供

健全な「場」づくりにトップ企業として役割をどう果たす?

今回の株式上場で新株発行に伴う調達資金は約630億円。長短借入金(2017年6月末、約230億円)の返済原資にも充てるが、もう一つの重要な使途が技術の高度化による不正取引防止の精度向上だ。山田会長は会見でもこの点を強調、「AI(人工知能)でいち早く問題のある取引を検知し、信頼性の確保に努める」と述べた。

同社は従来、アカウント作成時の電話番号認証や売上金の振込申請時の口座確認などを行っている。また、250人以上のカスタマーサポートが24時間体制で出品商品や取引内容を監視し、違反商品の削除や不正取引の排除、違反者の利用制限などを講じている。警察との連携や情報交換も密にしている。しかし、不正出品の手口が巧妙化し、監視強化とのイタチごっこになっているのが実情だ。

昨春、「現金(紙幣)」出品問題が批判の的になったのは記憶に新しい。クレジットカードのショッピング機能を利用した現金化だ。例えば、3万円の「現金」を3万5000円で出品し、すぐに現金が必要な人はクレジットカードを使い3万円の「現金」を3万5000円で購入するというもので、出品者は差額の5000円から手数料を引いた分が儲けとなるやり方だった。これを機に、現金の出品は禁止とされた。領収書の出品も現金化に利用される恐れがあることから、もちろん禁止だ。

フリマアプリをめぐっては楽天が2016年、「フリル」の運営会社を傘下に収め、自社運営の「ラクマ」と2本立てで展開中。またヤフーは国内最大のネットオークション「ヤフオク!」にフリマ機能を付加して、メルカリ追撃の構えをみせている。だが、現下の形勢はメルカリの圧勝状態といって差し支えない。

メルカリはフリマアプリの“専門店”化も進めている。本やDVDに特化した「メルカリ・カウル」、中古ブランド品に的を絞った「メルカリメゾンズ」のほか、習い事や語学学習など個人のスキルをシェアするサービス「teacha」の運用も始めた。さらに売買代金をポイントに換算して使用できる決済サービス「メルペイ」の実用化が年内にも控える。

フリマアプリをツールとして新たな中古品売買の流通市場が出現した。その牽引役として、いかに健全な「場」を提供できるのか、メルカリの役割は一段と重みを増している。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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