5月…武田薬品、6.8兆円でシャイアーを買収

“破格”の買収劇がいよいよ実現へ

日本のM&A史にハイライトが訪れた。武田薬品工業がアイルランドの製薬大手、シャイアーを6兆8000億円で買収合意を発表した。すでに両社株式総会で承認を得ている。

武田の案件は2016年のソフトバンクグループによる英半導体設計大手アームの約3兆3000億円を大きく上回り、日本企業として過去最大の企業買収。武田薬品は製薬業界の売上高で世界トップ10に入る。あとは本業へのシナジー(相乗効果)をどう引き出すか、また巨額投資に見合う利益を長期的に生み出せるかが焦点となる。

通信工事業界では、首位のコムシスホールディングスと2位の協和エクセルがそれぞれ同業の上場3社を経営統合することを発表し、業界再編が一気に動き出した。

リクルートホールディングスは1285億円で求人情報検索サイト運営の米グラスドアを買収することを決めた。また、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は「カメラのキタムラ」で知られる写真サービスチェーンのキタムラを約180億円で完全子会社することになった。

6月…東芝、パソコン事業をシャープに譲渡

3月期決算会社の株主総会の集中月であることから、M&A は例年低調。経営再建中の東芝はパソコン事業をシャープに約40億円で譲渡すると発表した。シャープへの傘下入りに伴い、パソコン事業を手がける東芝クライアントソリューション(東京)は2019年1月1日付で社名を「ダイナブック」に変更する。3年後に上場を目指している。

7月…出光・昭和シェルが経営統合問題が決着

この時点で、今年3番目の超大型案件が出現した。産業ガス国内最大手の大陽日酸が同業で世界3位の米プラクスエアから欧州事業を6438億円で買収すると発表した。

3年越しの統合問題が決着

出光興産と昭和シェル石油の経営統合が2019年4月に実現することで決着した。経営統合について出光の創業家が反対から賛同の姿勢に転じたことで、事態が一気に動いた。両社は2015年から経営統合の協議に入っていた。ただ、統合の形は当初想定されていた合併を断念し、出光が株式交換によって昭和シェルを子会社とする“親子関係”を選択した。事業上の通称は「出光昭和シェル」を使う。

経済メディア「NewsPicks」を運営するユーザベースは米国のオンライン経済メディアのQuartz Media (ニューヨーク)を82億5000万円で傘下に収めると発表。また、ヤフーによる料理動画レシピサービス「クラシル」のdely(東京都)の子会社化(約93億円)もあった。

8月…新日鉄住金、アマダなど製造業で動き活発に

金額上位案件で製造業のM&Aが目立った。新日鉄住金が山陽特殊製鋼を子会社化(672億円)、FUJIが半導体製造装置メーカーのファストフォードテクノロジを子会社化(219億円)、合同製鉄が電炉中堅の朝日工業を子会社化(126億円)、アマダホールディングスがプレス機械用材料供給メーカーのオリイメックを子会社化(125億円)といった具合だ。

8月の最大案件はJTはバングラデシュ2位のたばこ事業(同国のアキジ・グループ傘下)の1645億円に上る買収だった。