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DLE(ディー・エル・イー)の不正に東証が3360万円を徴求

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※経営管理部長は、冒頭のメールでQ案件をR案件と取り違えています(後のメールでそこを訂正)。R案件→Q案件と解釈するとわかりやすいです。要するに、Q案件が消滅してしまったため、新しく受注したs案件をQ案件として進めてほしいという内容です。

第三者委員会の調査報告書の受領及び調査結果に関するお知らせ
第三者委員会の調査報告書の受領及び調査結果に関するお知らせより

詳しく解説すると、Q案件はDLEとA社が共同で出資して進めるTVアニメでした。出資比率はA社が80%、DLEが20%となっています。DLEは出資額の20%に相当する3900万円を出資金としてすでにA社に支払っていました。そして、企画費用3900万円を売上として計上したのです。

監査法人からQ案件の進捗を確認されると、G氏は2018年6月ごろからs案件に変更になったと報告するようになりました。そこで、s案件をQ案件に見せかけようとしたのです。s案件の出資額2340万円を3900万円にできないか、事業部長のC氏依頼しています。

前述したとおり、目標達成を焦るあまり、売上計上しやすい(好きなように形を変えやすい)企画売上を売掛金として計上している様子がみてとれます。同社はこうした不正を繰り返していたのです。

ヨーデルの女
独特の企画やコンテンツ作りには定評がある



幹事会社の業績目標達成のため、数字作りに試行錯誤

何としてでも目標を達成しようとする姿は、マザーズ上場直前の時期に如実にあらわれています。幹事会社が2014年6月期の売上高16億円、利益3億円の目標値をたてると、DLEはそれに沿った事業計画を練りました。代表の椎木氏が「必達で頑張りましょう。ここでエンジン全開にしなくていつやるか?」とメールしています。すると、最高財務責任者が「マザーズごときで、足止め喰らっている場合じゃないですしね!」と返答。そして、先ほど登場した事業部長のC氏が現場で奮闘します。特に利益3億円を確保することに苦労しています。

以下はマザーズ上場前に数字を作ろうとする、代表の椎木氏(A氏)、最高財務責任者(B氏)、事業部長(C氏)のメールのやりとりです。

事業部長C氏が幹事会社の意向に沿う数字を作ろうとしています。現状だと売上15億円、利益3億円は無理だと吐露。売上15億・利益2億のバージョン1か、売上17億・利益3億のバージョン2を作っています。それに対して、椎木氏が売上16億・利益3億ぐらいにならないかと、利益率を気にする返答をしています。

その言葉を受けた事業部長は、原価率の悪い小売りの売上を落とし、企画売上で補填するなどの策を弄します。更に最高財務責任者B氏が、無茶な事業計画であることを認めた上で、数字のマジック「税効果」で最終利益3億円を達成できるといいます。

※伏字は幹事会社。


第三者委員会の調査報告書の受領及び調査結果に関するお知らせ
第三者委員会の調査報告書の受領及び調査結果に関するお知らせより

営業利益で3億円に達しないことに対して、椎木氏が難色を示したと受け取ったのか、最高財務責任者は「裏ワザ」を考えだします。裏ワザとは外注比率を下げて利益率を上げること。営業利益は2億3000万円で限界。3億円などまともに出ないものであることを知りながら、数字作りに奮闘しています。

今回の不祥事により、代表の椎木氏は3ヶ月の無報酬、他の役員も10%の減額などの処分が下りました。監査法人はあずさからアスカに変更となりました。投資家の信頼を失い、同社の2019年は信用回復に注力する年となりそうです。

麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。 ブログはこちら 「ビールを飲む理由」 


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