企業の統合と大学の統合の違い

企業の統合・合併の件数は年々増加傾向にあり、近年ではその件数は年間2000-3000件行われているようです。一方、国立大学統合の件数は、実はまだ十数件ほどしかなかったのです。このため自分たちの周りでも、統合が行われた例を聞いたことがほとんどないためイメージしにくいのだと考えられます。

他にも、インタビューをしていると、統合に対する思いが企業の時とは明らかに違うものだということが分かりました。

それは統合に対する捉え方です。実感が湧かない事はあるものの、学生たちは統合に関して前向きに捉えていました。

「経営などで協力し合えるなら今までよりも良い環境が生まれると思うから期待はある」「研究の質が高まると思うから良い事だと思う」と、名大生の多くは統合はプラスであると感じていたのです。

以前、大学の経営学の授業で企業が統合される時の従業員の心情を聞いたことがありました。統合される側の従業員は「統合が実施されれば、自身はクビになるのではないか」というような不安な気持ちになることが多々あり、こうした環境の変化に戸惑う声が上がる事が、統合に伴うマイナスの面であると聞きました。

ですが、大学の統合に関して学生は前向きでプラスの事であると捉えているのです。企業の統合に伴うマイナス面が学生にはありませんでした。

この事は統合を進める上では背中を押す事だと考えられます。学生へのベネフィットを明確にし、地に足のついた統合が行われるのならば、大学統合は非常に意味のあるものになるのではないかと感じられました。

  文: 永戸 涼介(中京大学経営学部在学中)