コーポレート・ガバナンスの強化
2019年1月施行の改正開示布令で、役員報酬ので固定部分、短期・中長期の業績連動部分については具体的に有価証券報告書に記載しなければならなくなりました。
ビズサプリの泉です。
今回は会社における株式報酬制度の位置づけを考えてみたいと思います。
報酬とは、一般的には労働基準法における賃金がわかりやすいかと思います。
「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」(労働基準法第11条)
つまり、労働したことの対価として受け取る金銭ということになります。役員報酬も従業員ではないですが、業務遂行の対価であることは同じといえます。
報酬は、基本的には現金でもらっていると思いますが、これは労働基準法上定められており、一般的に「通貨払いの原則」と呼ばれています。(労働基準法第24条)
では、なぜ、わざわざ株式報酬が利用されるのでしょうか。これは現金報酬及び株式報酬の特徴に差があるためです。
具体的には次のような特徴があります。
現金報酬:
金額がわかりやすい、給料という感じがする
流動性が高く生活給に向いている
基本的にもらえない、価値が減るということがない
株式報酬:
会社に資金余力がなくても支給できる
将来の株価に対するものであるため、将来の成果に対するインセンティブとなる
設計の仕方によっては、金額の大きなハイリターンの可能性がある
株主となることで、全社意識、ロイヤリティの向上が図れる
では、実際に株式報酬にはどのような制度があるのでしょうか。一般的な株式報酬制度と呼ばれるものには下記のようなものがあります。また、株式を給付するといった意味で幅広く列挙してみました。
・ストック・オプション(SO)
一番有名な株式報酬制度であり、株式を将来一定の条件で購入できる権利を給付するものであり、次の2つが代表的なものとなります。
・税制適格ストック・オプション(税制適格SO)
利益について税務上有利になるものの、行使価格(株式購入価格)がSO付与時の株価以上であるため、値上がりした分のみが利益となる。
・1円ストック・オプション(1円SO)
1株1円で購入できるSOであり株価が現在よりも下がったとしても利益となるものの税務上は有利にならない。
・リストリクテッド・ストック
一定の勤務期間後に譲渡制限が解除される株式を給付。
・パフォーマンス・シェア
一定の業績条件達成後に現物出資して、株式を給付。
・株式給付信託
会社が組成した信託を通じて株式を給付する。一定の条件(勤務期間や業績)に応じたポイントが付与され、条件達成後に給付
・持株会
役員や従業員は給与から一部持株会へ拠出し、定期的に株を取得する。拠出時に従業員にはあらかじめ設定した奨励金を付加する。
2019年1月施行の改正開示布令で、役員報酬ので固定部分、短期・中長期の業績連動部分については具体的に有価証券報告書に記載しなければならなくなりました。
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