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ネットとリアルの融合 アマゾンがホールフーズを買収

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3.経理業務も人とロボットの棲み分けの時代が来る!?

最近私が引き受けている業務改善の一環で、管理資料を効率化する仕事があります。業務を分析してみると、会計データを生成するプロセスで、元データをエクセルで加工するのに膨大な工数がかかっていることが分かりました。そこで、その手順を整理・再構築し、マクロを組み込んだところ、ある1つの作業で3日かかっていた作業が1時間で出来ることとなり、想定以上の効率化が図れたとのことで、クライアント様には大変喜んで頂きました。その他にも工数がかかっているエクセルでの加工作業がいくつかあり、現在はそれに取り組んでいるところです。

エクセルのマクロというのは、マイクロソフトが考えたプログラム言語(VBA)を使ってエクセル作業を半自動化するものですが、これには人間が専門知識を以って開発する必要がありました。これがAIのさらなる発展により、コンピュータがVBAをある程度の精度で自動で作ってくれるなら、大幅に人間の作業量を減らせますし、さらに精度が上がれば専門知識がなくても作業の自動化がすすめられますので、一気に広がる可能性があるのではと思ったのです。

経理業務の中でも制度会計に関わる部分は、最終成果物がルールに基づくものであり、定型化しやすいものが多いので、AIを使って実際の銀行取引記録から仕訳を自動生成するようなサービスが登場しています。そのうち、個人の立替経費を定型フォームに領収書を貼り付けてスキャンすれば、立替経費を自動精算してくれるシステムが出来るかもしれません。経費精算はそれなりに工数のかかる業務で現在はワークフローで行うのが主流になりつつありますが、それでも各個人が入力をしなければならないので、経理知識のない方が入れると間違いも起きやすく、入力や修正の手間もあるのですが、今後その作業が不要になる可能性があります。

経理業務がどんどんロボット(ここでロボットというのは物体としてヒト型をしているものと言うよりはソフトウェアです)に置き換わる結果、経理人員の仕事が減るのではないか、と思われるかもしれません。しかし、現在当たり前のように会計ソフトで伝票を記載していますが、従来はこれらを全て紙の伝票で書いて、転記し、ファイリングしていた作業が効率化しても、今度は会計システムのマスタ管理やアップデートのようなメンテナンスの仕事が増え、また検証作業は必ず必要なので、その作業は紙ベースの時代と比べて網羅的、効率的に行えるようになってはいますが、作業そのものがなくなっているわけではありません。

人は基本的に変化を嫌う部分がありますが、一方で単純作業は面倒なものです。
また定型作業も飽きてきます。そのような作業部分はロボットに任せて、人はより付加価値の高い業務、特に管理会計についてはまだまだ人が関与すべき領域が大きい分野だと思っていますし、管理会計は何のための会計かと言うと、経営のための会計ですので、有用な分析結果や将来の見込みを経営者に提供していくことで、経理業務の価値を高めて行けると思っています。

このような棲み分けをしていくことで、経理部門(だけではなく管理部門全般)のロボットとの棲み分け、ITとリアルの融合を模索していきたいものです。

文:花房 幸範(株式会社ビズサプリ パートナー 公認会計士)
株式会社ビズサプリ メルマガ(vol.055 2017.6.22)より転載

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