緊急事態宣言でUSJは休業、TDL・TDSは営業の「なぜ」?

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東京隣県の商業施設は宣言初日から混雑

入場者をコントロールできるテーマパークはいいが、「出入り自由」な大型商業施設ではそうはいかない。横浜市や川崎市の大型商業施設や中心商店街では、緊急事態宣言が出た初日の4月25日に東京からと思われる客や、一斉休業で東京へのショッピングを諦めた県内客らでごった返した。

緊急事態宣言で休業中の東京から他県へ顧客が流れる?(川崎市の「ラ チッタデッラ」、同社ホームページより)

ドコモ・インサイトマーケティング(東京都豊島区)の位置情報データ解析によると、25日午後3時台の人出は銀座で前日曜日(18日)に比べて32%も減少するなど、デパートをはじめ大型商業施設が休業した東京都心への流入は大幅に減っている。その一部が周辺の大型商業施設や中心商店街へ流れたようだ。

緊急事態宣言で大阪府、兵庫県、京都府と周辺大都市圏を広くカバーした近畿地方では、こうした事態は起こりにくい。一方、東京都だけをピンポイントで指定した関東では、周辺地域との「ピンポン感染(互いにうつしたりうつされたりを繰り返すこと)」の懸念が広がっている。

東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県は、ほぼ全域が通勤・通学圏であり、レジャーやショッピングで行き来する生活圏でもある。東京都だけを対象としたことにより、周辺3県の商業・レジャー施設への人の流れが集中すれば、コロナ感染は東京都を含む全域に拡散する。

むしろ東京都に緊急事態宣言を出さずに、1都3県全体でレジャー客や買い物客を分散して受け入れた方がコロナ感染の拡散リスクは低いかもしれない。地元自治体からの要請が前提とはいえ、昨年4月の第1次緊急事態宣言並みの幅広い業種での休業要請を伴う今回の緊急事態宣言の場合、少なくとも1都3県で足並みを揃える必要があっただろう。

文:M&A Online編集部

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