トップ > ライフ > 暗号資産 >最近の「仮想通貨危機」が、これまでの「乱高下」とは違う理由

最近の「仮想通貨危機」が、これまでの「乱高下」とは違う理由

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
「銀行はあなたの友達ではない」と書かれたTシャツを着たセルシウス・ネットワークのマシンスキーCEO(Photo By Reuters)

次の低金利時代まで仮想通貨市場は沈静化か

併せてTerraform Labsは銀行のような仮想通貨プラットフォーム「アンカー・プロトコル」を立ち上げ、20%近い金利でビットコン、イーサなどの比較的安定した仮想通貨やドルとテラUSDとの交換を促した。決済アプリや投資アプリを介して「テラUSD経済圏」づくりに取り組むなど、普及によって信頼性を高める工夫もした。

だが、政策金利の上昇で仮想通貨市場から資金が引き上げられる懸念を受けて、テラUSDとルナが同時に暴落。テラUSDが下落すれば、ルナが上昇して価値を維持するという目論見は完全に外れた。仮想通貨市場は下落したテラUSDはもちろん、値上がりしたルナも「要らない」と突き放したのだ。

政策金利が上昇すればリスクの高い商品から資金が引き上げられるのは「常識」だった。加えて市場から一定の信頼を得ていたテラUSDのセーフティーネットが「期待はずれ」で終わったことで、高リスクの暗号資産の暴落は自明だったといえる。

再び仮想通貨が息を吹き返すとしたら、仮想通貨市場が縮小してわずかな資金でもマーケットが回る「ニッチ化」しかない。生き残ることができるのはビットコインのような供給上限が設定されている仮想通貨か、USDコインやテザーなどのようにドル準備金や米国債などで完全に裏付けされているリアルなステーブルコインぐらいだろう。

もちろん再び「ゼロ金利」時代が訪れれば、仮想通貨に大量の余剰資金が舞い戻ってくる可能性が高い。次に仮想通貨で資産運用の「勝負をかける」としたら、その時を待った方が良さそうだ。

文:M&A Online編集部

関連記事はこちら
ビットコインやや持ち直すも、暗号資産(仮想通貨)へ悲観的観測
1日で42億分の1に下落した仮想通貨「TITAN」とは?

NEXT STORY

大坂なおみが取引所FTXの株式を取得、報酬は仮想通貨で

ロイター・ニュース・アンド・メディア・ジャパン
| 2022/3/25
2022.03.25