デジポケが破産開始 暗号資産(仮想通貨)の返還が不能に
東京地裁に破産を申請していたデジポケが8月27日、破産開始決定を受けた。負債総額は債権者約2000名に対して約101億円(破産開始決定時の仮想通貨の価格で金銭評価した額)。
~(株)ビットマスターに連鎖、多数のビットコインが取り出せず~
(株)BMEX(TSR企業コード:322684560、法人番号:2040001085893、川越市南大塚4-7-3、設立2014(平成26)年5月、資本金1000万円)は10月6日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7、電話03-3273-2600)が選任された。
負債は調査中だが、大半がビットマスター向けの債権。
みなし仮想通貨(暗号資産)交換業者。2017年ごろから仮想通貨販売代理の(株)ビットマスター(TSR企業コード:940212935、法人番号:8340001004479、鹿児島市)より仮想通貨管理の委託を受けていた。しかし、2018年4月、金融庁による立ち入り検査などで、「特定の大口取引先からの依頼に基づき、複数回にわたり利用者から預かった多額の金銭を流用し、一時的に同先の資金繰りを肩代わりしていた」などの法令違反があるとして、仮想通貨交換業に係る全ての業務の業務停止命令を受けた。そのため、当社は仮想資産交換業の登録申請をせず、2019年1月18日に交換業を廃止していた。
その後、当社はビットマスターからビットコインの貸し付けを受け、事業を継続していた。こうしたなか、2019年8月にビットマスターや当社が入居していた鹿児島市内の事務所で火災が発生。ビットマスターは業務遂行が困難となり同年11月22日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
また、当社も事務所の火災などの影響で発生したパソコンの不具合により、ビットマスターから借り入れていたビットコインを引き出すためのPINコード(暗証番号)が判読できなくなり、1800BTC(当時)が取り出せない状況となったため、ビットマスターの破産後は清算手続きを進めていた。
なお、関係者によると、「ビットコインは現在も取り出すことができていない」としている。
東京地裁に破産を申請していたデジポケが8月27日、破産開始決定を受けた。負債総額は債権者約2000名に対して約101億円(破産開始決定時の仮想通貨の価格で金銭評価した額)。
仮想通貨を巡る動きが慌ただしくなってきた。価格が低迷し、関心が薄れている仮想通貨だが、BtoBマーケットが充実していく兆候があるとの声もあり、2019年はさまざまな動きが表面化しそうだ。
テックビューロは「Zaif」をフィスコへ事業譲渡を予定しており、譲渡後に仮想通貨交換業の登録を廃止し解散する。譲渡期限までに顧客が承認しない場合、仮想通貨の返還が不能になるおそれがあるという。
仮想通貨交換業者に追い風が吹き始めた。金融庁による立ち入り検査や行政処分などが一段落し、新たな仮想通貨交換業者の登録作業が動き出したためだ。日本の取り組みが世界から注目を集めそうだ。