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上野モノレールが年末に廃止、どうなる日本のモノレール

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鉄道との競争に苦しむモノレール

延伸計画が沙汰止みになった東京モノレール
延伸計画が沙汰止みになった東京モノレール(同社ホームページより)

モノレールのライバルは鉄道だ。2010年に東京モノレールは羽田空港線を浜松町駅から新橋駅、さらには東京駅へ延伸する検討に入った。

だが、2013年に親会社のJR東日本で田町駅から営業休止中の東海道貨物線を活用して羽田空港に直結する「羽田空港アクセス線」計画が浮上すると、モノレール延伸構想は沙汰止みになった。

沖縄本島中部・北部との交通アクセスではモノレールの延伸ではなく、那覇市-名護市を結ぶ鉄道路線の沖縄鉄軌道を新設する構想がある。

営業最高速度は最速の東京モノレールで時速80km、沖縄都市モノレールでは同65km。1編成当たりの車両定員は最大の東京モノレール(102人✕6両)が612人なのに対し、山手線(148人✕11両)は1628人と2.6倍以上の開きがある。

モノレールは乗客が少ない地方では採算面が問題となり、乗客が多い都市部では高速・大量輸送が可能な鉄道との競争が激しいというジレンマに直面しているのだ。

具体的な延伸計画が進んでいる多摩都市モノレール線(上北台駅-箱根ヶ崎駅、多摩センター駅-町田駅)や大阪モノレール本線(門真市駅-瓜生堂駅)は、路線予定地が丘陵地や住宅密集地を通る。新たに鉄道を敷設するよりも、アップダウンに強く河川や道路の上空でも敷設できるモノレールの方が建設費や用地取得費を抑えられるというコストメリットがある地域だ。

日本のモノレールが存続できるかどうかは、こうした都市交通の「すき間」を埋められるかどうかにかかっている。

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