子会社2社が倒産したオンキヨー、かつて手がけた「意外な商品」

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オンキヨーホームエンターテイメント(旧オンキヨー、大阪府東大阪市)の連結子会社であるオンキヨーサウンド(同)とオンキヨーマーケティング(東京都墨田区)が、3月18日付で大阪地方裁判所へ自己破産を申請して倒産した。

事業を次々に失ったオンキヨー

オンキヨーサウンドは2020年に旧オンキヨーから会社分割で設立され、音響機器・電子機器・車載用スピーカーなどのOEM(相手先ブランド生産)を手がけていた。2010年設立のオンキヨーマーケティングは、主に住宅向けのAV関連製品を販売していた。

子会社倒産の引き金となったのが親会社のオンキヨーホームエンターテイメントが2期連続で債務超過に陥り、2021年7月に上場廃止となったこと。これによりオンキヨーグループの資金繰りが悪化。模索した外部からの資本参加や事業譲渡も協議がまとまらず、2022年2月に両社の営業を停止していた。 

オンキヨーホームエンターテイメントが所有していたパイオニアブランドを含むホームAV事業やハイレゾ配信の「e-onkyo」はすでに売却済みで、子会社の倒産により今後は譲渡したオーディオ事業の手数料や管理業務の受託などを手がけるという。

もはや「残務処理」状態の同社だが、かつては「攻めの経営」で話題になった。最も有名なのがパソコン事業だ。2007年7月にTOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資の引き受けでソーテックを買収し、同事業に参入した。

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2008年に日本ビクターとケンウッドが統合して誕生して以来、波乱万丈の経営が続いてきたJVCケンウッド。2020年3月期の売上高は約2913億円と、経営統合時の約8200億円に比べ3分の1近くまで縮小している。巻き返しのカギはM&Aだ。

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