いきなりの「菅首相退陣」で、私たちの生活と経済はこう変わる

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菅義偉首相が自民党総裁選挙への立候補を見送り、任期切れとなる2021年9月末に退陣する。首相就任から1年余りでの退陣に、株式市場はすぐさま反応。退陣が明らかになった9月3日には、日経平均株価の終値が前日比584円60銭高の2万9128円11銭へ上昇。週明けの6日も同531円78銭高の2万9659円89銭と上昇し、退陣発表後に1100円を超える株高となった。急速な株高をもたらした菅首相の退陣だが、私たちの暮らしや日本経済には、どのような影響を与えるのだろうか?

①携帯電話料金

菅首相が掲げた政策の「一丁目一番地」と言えば、携帯電話料金の値下げだろう。自身の総務相時代に通信事業者へにらみをきかせ、首相就任と同時にNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社に料金値下げを強く求めた。

その結果、NTTドコモの「ahamo」やKDDIの「povo」、ソフトバンクの「ソフトバンク on LINE(現・LINEMO)」が相次いで投入され、20GBで3000円を下回る格安プランを実現。菅首相の携帯料金値下げ圧力が、NTTによるNTTドコモへのTOB株式公開買い付け)につながったとの指摘もある。

だが、菅首相の退陣で携帯電話会社への値下げ圧力は確実に弱まる。現在、次期首相候補となる自民党総裁選に立候補を予定している議員のうち、総務相経験者は高市早苗氏と野田聖子氏の2人。しかし、総務相時代の活動を見ると、高市氏は通信業界よりも放送業界に関心があるとされ、野田氏もマイナンバー制度や兼任していた内閣府の男女共同参画型社会などの政策に力を入れていたようだ。

さらには若者層からの支持を狙った携帯電話料金の値下げだったが、これで菅首相の支持率が上がったようには見えない。誰が首相になろうとも、携帯料金の値下げは魅力的な政策とは思えないだろう。菅首相の値下げ圧力が弱まれば、いずれ大手3社の格安プランも条件の見直しや料金制度の廃止などで実質的な値上げに転じる可能性が高い。

携帯料金は慣例として旧契約を維持できる。大手3社の大容量通信が必要ならば今のうちに「ahamo」や「povo」「LINEMO」で契約しておき、プランの廃止や変更後も旧契約のまま維持する方がよいだろう。

スマホ料金の値下げは、菅首相の支持率アップにつながらなかった(写真はイメージ)

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