一方で同記事内の論者は「すべての国が敗者になるわけではない」と口をそろえている。大豆を例とすれば、米国からの輸出減に伴って中国は中南米の大豆で代替するだろうと指摘。さらに中東も恩恵を受けると推測した。理由としては米国の化石燃料に対し中国が関税を課することで、中東が今まで以上に大きなシェアを獲得すると考えられること。ポリエチレンについても、米国製品に中国が課税するならば、中近東への依存が強まると分析している。
【ワシントン・ポスト】漁夫の利を得るのはブラジル
同様の論調は4月10日の米ワシントン・ポストの記事にも見られる。同紙は大豆産地として知られる米中西部が打撃を受ける可能性にふれた上で、中国がブラジルで大豆など農作物の物流インフラに巨額の資本を投じている現況を指摘。「米中貿易競争で勝者となるのはブラジルだろう」とコメントしている。
【BBC】 両国の「小競り合い」であり、極端な悲観論に傾くべき理由は乏しい
英BBCは4月13日、両国の貿易制裁措置を「2大経済大国間の小競り合い」とし、全面的な貿易戦争に発展する「最初の一撃」であると評した。現段階では、鉄鋼やアルミニウムなど措置の影響を受ける貿易額はごくわずかであると試算している。もっとも一昨年の2国間貿易で米国が中国に対し3470億ドルの赤字だったことを説明し、米国内にくすぶる不満が技術や著作権といった米知的財産権の追加関税の提案につながったと分析。この提案が実際に大きな影響を及ぼすおそれはあるとコメントした。
しかし、BBCは米国も中国も紛争激化のリスクを軽減するため、世界貿易機関(WTO)の手続きを利用していることに着目。「(両国とも)ルールに基づくシステムに、いくらかの価値を認めている」と評価した。そのうえで、現在のところ「打撃はそれほど深刻ではない」とし、「金融市場の比較的穏やかな反応は、投資家が全面的な貿易戦争回避の見込みがあると考えていることを示唆するものである」としめくくっている。
<参照記事>
http://money.cnn.com/2018/04/1...
https://www.washingtonpost.com...
http://www.bbc.com/news/busine...
文:Yuu Yamanaka/編集:M&A Online編集部
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