ツイッターだけじゃない!大富豪が買収した「名門メデイア」たち

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ツイッターを買収したマスク氏、次の一手は?(Photo By Reuters)

大富豪による買収で再建に成功、一方で「私物化」も

印刷大手で80社以上の子会社を持ち、欧州や南米、中国、インドなどにも進出しているテイラーコーポレーションのオーナーでもあるグレン・テイラー元共和党上院議員は、2014年6月に米ミネソタ州最大の日刊紙スター・トリビューンを1億ドル(約130億円)で買収した。

大富豪に買収された新聞社は、いずれもデジタル化への転換に成功。電子新聞による新規購読の増加などにより、収益も大幅に改善した。旧態依然の経営で行き詰まった新聞事業を、いわばデジタル化によるリノベーション(大規模改装)で見事に復活させている。

一方、買収による「私物化」の弊害もある。大手カジノを経営するシェルドン・アデルソン氏は、2015年12月に保守系地方紙のラスベガス・レビュー・ジャーナルを1億4000万ドル(約180億円)で秘かに買収。その後、アデルソン氏に関する記事は、全て揉み消されたとの内部告発があったという。

買収後に同紙の従業員は100人から150人に増員され、発行部数も増加に転じた。しかし、不審な大口読者の存在を突き止めた記者や編集者が、同紙の「編集の自由の縮小」「不明瞭な商取引」「非倫理的な管理者」を理由に退職するなど、報道の中立性に疑問を持たれている。

新聞社の買収金額がツイッターに比べて遥かに安いのは、新聞業界が経営不振で引き取り手が少ないことによる。マスク氏が新聞社ならば100社以上も手に入れられる大枚をはたいて買収したツイッターを、イノベーションでさらに進化させるのか、それとも「私物化」して個人的な野心や思惑で利用するのか?これからのツイッターの動向に注目だ。

文・M&A Online編集部

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