~宿泊キャンセル分のマッチングサービスを手掛けていた~
Cansell(株)(TSR企業コード:016983203、法人番号:7011001109079、渋谷区神宮前6-28-9、設立2016(平成28)年1月、資本金1億円、山下恭平社長)は3月23日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には木村昌則弁護士(木村・古賀法律事務所、渋谷区代々木2-11-12)が選任された。
負債は約1億400万円。
一度販売されたものの、キャンセルすることになった宿泊予約を売買するマッチングサービスを展開。購入希望者と提供者との価格交渉や宿泊者の名義変更に係る諸手続きなどを当社が代行し、手数料収入を得るビジネスモデルだった。
別の予約者が宿泊予約を買い取ることで、はじめに予約した人のキャンセル料が軽減されるなどの効果が見込め、サービス開始当初は一部のメディアで話題となった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い2020年春以降、需要が低下したことにより業況が悪化。事業継続が困難となり、2022年に入ってサービスを終了し、今回の措置となった。
倒産取材の現場では、「新型コロナが影響した」とのセリフをよく聞いた。関係者へのヒアリングでは「枕詞」と化し、破産や民事再生の申立書でも常套句として使われた。だが、それに慣れると本当の原因を見誤る。
水中造形センターは7月12日までに事業を停止し、7月中をめどに破産を申請する予定。同社はスキューバダイビング専門雑誌「月刊マリンダイビング」の編集・発行のほか、旅行業も手掛けていた。