「コロナ破たん」に惑わされるな=2021年を振り返って
倒産取材の現場では、「新型コロナが影響した」とのセリフをよく聞いた。関係者へのヒアリングでは「枕詞」と化し、破産や民事再生の申立書でも常套句として使われた。だが、それに慣れると本当の原因を見誤る。
~循環取引で破綻したD-LIGHT(株)の関連会社~
D-PROX(株)(TSR企業コード:028813847、法人番号:3120001213833、中央区新川2-1-3、設立2018(平成30)年6月、資本金800万円、代表取締役:鬼倉達矢氏ほか1名)は12月20日、東京地裁に破産を申請した。申請代理人は原香奈弁護士(三宅坂総合法律事務所、千代田区内幸町2-1-4、電話03-3500-2740)。
負債総額は債権者102名に対し約177億円。
D-LIGHT(株)(TSR企業コード:296764019、法人番号:9010001100335、中央区)の関連会社として蓄電池やLED照明器具の開発、販売を手掛けていた。
しかし、2021年6月22日、アジア開発キャピタル(株)(TSR企業コード:291141382、法人番号:9010601034809、中央区、東証2部)が「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」についての補足で、D-LIGHTなど複数社が循環取引に関わっていたと公表。D-LIGHTは信用低下から債務の返済が困難となり、同年7月までに事業を停止し11月10日、東京地裁より破産開始決定を受けた。当社はD-LIGHTに連鎖した。
倒産取材の現場では、「新型コロナが影響した」とのセリフをよく聞いた。関係者へのヒアリングでは「枕詞」と化し、破産や民事再生の申立書でも常套句として使われた。だが、それに慣れると本当の原因を見誤る。
水中造形センターは7月12日までに事業を停止し、7月中をめどに破産を申請する予定。同社はスキューバダイビング専門雑誌「月刊マリンダイビング」の編集・発行のほか、旅行業も手掛けていた。
AKB48グループの握手会などのイベント企画や運営を手掛けていたSLDKは5月19日、東京地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は債権者8名に対して約4000万円。