ヘリコプター販売のユーロテックが民事再生 負債総額は約72億円

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~和歌山県で今年最大の負債、新型コロナ倒産~

 ユーロテックジャパン(株)(TSR企業コード:612088855、法人番号:5170001008467、西牟婁郡白浜町2926、設立2010(平成22)年7月、資本金6000万円、古家恒昌社長)は8月31日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は佐藤俊弁護士ほか3名(弁護士法人大江橋法律事務所、大阪市北区中之島2-3-18、電話06-6208-1326)。監督委員には上田純弁護士(久保井総合法律事務所、同市北区中之島2-2-2、電話06-6222-5255)が選任された。
 負債総額は約72億円。

 ヘリコプターの部品販売や輸出入を目的に設立。海外のヘリコプターメーカーなどとの関係性を強みに事業を展開してきた。ヘリコプターを輸入し、一般消費者や地方自治体に販売、賃貸するほか、2016年3月には国土交通省大阪航空局より航空運送事業および航空機使用事業の認可を取得し、事業領域を拡大してきた。
 しかし、扱い品の特性上、1台当たりの単価が高額に及ぶため、資金需要が旺盛となる一方、金融機関からは5億円未満の与信しか受けられず、外部事業者からの増資や与信供与など、金融借入以外の方法で資金繰りを維持してきた。
 2020年以降は「新型コロナウイルス」感染拡大の影響で、技術者の海外渡航困難などで、売上が立たない事態となった。ヘリコプターの賃料収入、和歌山県からの防災ヘリコプターの運行受託などの収入を得ていたが、人件費などの固定費、賃借中のヘリコプターの賃料、元利金弁済などでそれ以上のキャッシュアウトが続いていた。
 当社の主要な仕入先である加賀電子(株)(TSR企業コード:290589398、法人番号:4010001001752、東京都千代田区)の協力のもと、支払猶予や貸付を受けるなどして資金繰りを維持してきたが、2021年8月下旬に入り、支払猶予を申し入れていた金融機関から支援を拒絶されたうえ、その他関係先からの継続支援も困難との見解が示されたため、今回の措置となった。
 なお、加賀電子がスポンサーとして支援する意向を表明している。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

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