山形・酒田市の地場デパート、マリーン5清水屋が破産

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~山形県の地場デパート、近年はテナントの退去相次ぐ~

(株)マリーン5清水屋(TSR企業コード:211015466、法人番号:7390001006232、酒田市中町2-5-1、設立1977(昭和52)年9月、資本金3500万円、堀正彦社長)は8月5日、山形地裁酒田支部に破産を申請し8月13日、破産開始決定を受けた。破産管財人には加藤栄弁護士(加藤法律事務所、同市北新町1-6-1)と、藤井正寿弁護士(藤井正寿法律事務所、同市東泉町4-12-8)が選任された。
 負債総額は約9億3700万円。

マリーン5清水屋の店舗
マリーン5清水屋の店舗(TSR撮影)©東京商工リサーチ

 地域密着型の総合デパート「マリーン5清水屋」の運営会社。2012年2月に、福島県を地盤とする地場百貨店(株)中合(TSR企業コード:160006708、法人番号:1380001001074、福島市)との部分譲渡契約で、「中合清水屋店」の営業基盤を当社が継承。マリーン5清水屋の名称で同年10月、グランドオープンした。
 マリーン5清水屋は日本百貨店協会に加盟していないが、地場の総合デパートとして知名度を有し、大型書店を誘致する等、売場の充実に努めたほか、各種催事の開催やイベントホールのリニューアルで集客維持に注力してきた。しかし、ここ数年はテナントの相次ぐ退去もあって集客が低迷し、2020年3月期の売上高は13億3494万円にとどまり赤字を計上していた。
 2021年3月期も新型コロナウイルス感染拡大を受けて中心市街地の祭りやイベントが中止を余儀なくされたほか、売場面積の縮小も重なって集客が一段と悪化。酒田市が実施した消費刺激策の効果も限定的にとどまり、売上高は6億9649万円と大幅減収となり、2期連続の4245万円の赤字を計上した。
 2021年5月には当時の成澤五一社長が死亡、その後1カ月以上にわたり社長不在が続き信用不安が高まった。7月1日、堀社長が就任し、同月15日付で「マリーン5清水屋」を閉店、事後処理を弁護士に一任していた。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

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