月刊「マリンダイビング」運営会社が破産へ 負債総額は約2億円

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
Photo by Patrick Jansen on Unsplash

~月刊「マリンダイビング」出版やダイビングツアーの企画を手掛ける~

(株)水中造形センター(TSR企業コード:291362397、法人番号:5010001020256、千代田区麹町1-7、設立1977(昭和52)年12月、資本金4800万円、舘石哲見社長)は7月12日までに事業を停止し、破産手続きを宮之原陽一弁護士(宮之原法律事務所、千代田区平河町2-16-5、電話03-6869-7171)に一任した。7月中をめどに破産を申請する予定。
 負債総額は債権者約100名のほか、定期購読の債権者数百名に対して約2億円。

水中造形センターの入居するビル
水中造形センターの入居するビル ©東京商工リサーチ

 スキューバダイビング専門雑誌の編集・発行のほか、旅行業も手掛け、ダイビングに最適な国や地域へのツアーなどを扱っていた。
 出版部門は1969年創刊の月刊誌「マリンダイビング」を中心に、ガイドブックや写真集なども作成し、ダイビング愛好者の間では一定の知名度を有していた。
 ダイビングブームなどもあって1990年代には年間売上高10億円以上をあげ、1997年9月期の売上高は約13億1000万円に達していたが、その後は出版不況や余暇の多様化などから減収となり、2009年9月期以降は売上高10億円を割り込んでいた。
 こうしたなか、2020年に入ってからは「新型コロナウイルス」感染拡大に伴う外出自粛で旅行部門の売上が激減。ダイビングの機会がなくなったことで広告収入や雑誌の販売数も減少し、出版部門も大幅に減収となっていた。
 2020年9月期には売上高が約3億9000万円まで減少、ノンバンクからの資金調達などで凌いできたが業況は急激に悪化。2021年にはウェブ媒体への注力や延期されたイベントの開催で挽回を図っていたが、支えきれず事業継続を断念した。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5