新型コロナ倒産のカワスイ(川崎水族館)運営会社、民事再生へ

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
※画像はイメージです

 3月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全監督命令を受けていた(株)アクア・ライブ・インベストメント(TSR企業コード:130681482、法人番号:6010001199437、千代田区内幸町2-2-3、設立2019(平成31)年3月、資本金2億600万円、坂野新也社長)ほか3社は4月4日、民事再生開始決定を受けた。申請代理人は金井暁弁護士(大知法律事務所、千代田区麹町2-3)。監督委員には大澤加奈子弁護士(梶谷綜合法律事務所、千代田区大手町1-7-2)が選任された。
 アクア・ライブ・インベストメントの負債総額は1億9430万円(2020年12月期決算時点)で、4社合計は53億4929万円。

 アクア・ライブ・インベストメントは、2020年7月に開園した川崎市川崎区の「カワスイ(川崎水族館)」の財務管理などを手掛けていた。カワスイは、水生生物や動植物と触れ合うことができ、最新デジタル技術を活かした演出が特徴だった。しかし、開園時は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、当初の予定通りの来園客を確保できず、2020年12月期は売上高2億595万円にとどまり、253万円の赤字を計上。以降も来園客は回復せず、資金繰りが限界に達した。
 アクア・ライブ・インベストメントによると、「カワスイは今後も通常通り営業し、既にご購入いただいている入館チケットや年間パスポートについても通常どおりの利用ができる」としている。

 同時に民事再生開始決定を受けたのは、カワスイの運営を手掛けていた(株)アクア・ライブ・ネイチャー(TSR企業コード:133132803、法人番号:3010001206261、同所、設立2019(令和1)年12月、資本金990万円、同社長、負債総額6425万円(2020年12月期決算時点))と、飲食店などショップ運営の(株)アクア・ライブ・ギフト(TSR企業コード:133132820、法人番号:2010001206262、同所、設立2019(令和1)年12月、資本金990万円、同社長、負債総額約6000万円)の2社で、アクア・ライブ・インベストメントに連鎖した。

 また、カワスイの設備に関するSPC(特定目的会社)の川崎水族館合同会社(TSR企業コード:033113696、法人番号:8010003028121、千代田区丸の内3-1-1、設立2018(平成30)年8月、資本金10万円、代表社員:一般社団法人ALC、負債総額50億3074万円(2021年6月期決算時点))に対し、アクア・ライブ・インベストメントグループが債権者として3月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申し立て同日、保全監督命令と受けていたが、川崎水族館も4月4日、民事再生開始決定を受けている。

 なお、(株)イグニス(TSR企業コード:138350884、法人番号:4010001216152、渋谷区)がスポンサー候補として、上記4社の事業再生支援に関する基本合意書を締結し、融資などの支援を行っていく予定。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5