売上高別1億円未満が半数 上位は建設業

 島しょ部企業520社のうち、売上高が判明した328社の売上高別分布では、1億円未満が178社(構成比54.2%)と最多で半数を占めた。以下、1億円以上5億円未満118社(同35.9%)、5億円以上10億円未満20社(同6.0%)と続き、小規模企業を中心にしている。  売上高トップは、三宅島建設工業(株)(三宅村)で、売上高35億3,200万円。以下、山田建設(株)(大島町、売上高29億8,900万円)、村松興業(株)(大島町、同27億3,300万円)など建設業者が続く。トップ10社のうち、建設業が7社と圧倒的で、このほか信用組合、農業協同組合、スーパー経営会社が各1社だった。

東京都島しょ部328社 売上高別

個人企業を含め資本金1千万円未満が6割

 島しょ部企業520社の資本金別では、1百万円以上1千万円未満が197社(構成比37.8%)で最多。次いで、1千万円以上5千万円未満が166社(同31.9%)、個人企業他が120社(同23.0%)の順。  個人企業を含む資本金1千万円未満は340社(同65.3%)に達し、半数以上が小・零細規模だった。

業歴100年超の長寿企業6社 5年未満の新設法人68社

 業歴別では、10年以上50年未満が257社(構成比49.4%)で最多だった。以下、50年以上100年未満123社(同23.6%)、5年未満68社(同13.0%)と続く。  業歴100年以上の企業は6社(同1.1%)存在する。最も業歴が長いのは1894年(明治27年)創業の神津島酒造(株)(神津島村)で、麦焼酎「盛若」など地元の酒造メーカーとして高い知名度を誇る。  一方、業歴5年未満の新設法人(2013年1月~2016年12月設立)も68社(同13.0%)と約1割を占めた。産業別内訳は、サービス業他が37社と最も多く、建設業は2社にとどまった。業種別では観光地の宿泊、飲食業のほか、特産品を活かした農園などもあり、建設業中心の経済基盤から脱却の動きが注目される。

 東京都の島しょ部企業520社の3割は建設業者で、売上上位も建設業者が並ぶなど、建設業が地元経済を牽引する姿が浮かび上がる。交通アクセスや市場規模などビジネスの観点から島しょ部は不利な条件が多く、公共工事に依存せざるをえない環境の裏返しともいえる。ただ一方で、最近の新設法人には観光資源や地元の特産物に着目して起業するケースも増え始め、新たな動きもみられる。  東京都の2017年度予算では「島しょにおける個性と魅力あふれる地域づくり」として前年度比で18.9%増の270億円が計上された。誘客促進事業として共通旅行券の発行や、観光プロジェクトの展開など、島しょ部振興への投資も注目される。  2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、「東京の魅力」を世界に広げるチャンスでもある。世界遺産の小笠原諸島をはじめ、東京都の島しょ部には世界に誇れる観光資源が数多く存在する。国内観光客へのアピールは当然として、モノ消費からコト消費に移行しているインバウンド需要をいかに取り込むか、島しょ部の発展にとって大きなポイントになるだろう。

東京商工リサーチ「データを読む」より