1994年4月、酒税法改正でビールの年間最低醸造量が緩和され、飲食店や酒造会社を中心に地ビール製造に乗り出し、全国各地に地ビールメーカーが誕生、ピーク時は300社を超えた。
しかし、地ビールメーカーの大半が中小・零細規模で製造量が限られる中、発泡酒登場でビールの価格競争に巻き込まれ、環境の急変により第一次地ビールブームはあえなく終焉した。
その後、生き残った地ビールメーカーは、ビアフェスなどのイベント販売や、小売店や酒販店などの外販を拡大。地道な営業活動により地ビールの認知度を高め、根強い地ビールファンにも支えられて地ビール出荷量は5年連続で前年を上回り、“地ビールブーム”を盛り上げている。
2015年2月10日、アサヒビールがコンビニ限定商品としてクラフトビールの新商品を発売。同社はその後も3月、7月に相次いでクラフトビールの新商品を投入し、地ビールの敬称である「クラフトビール」人気を背景に、地ビールの製造販売に参入した。
一方、地ビールメーカーも製造拡大や原材料の共同調達などを目的に大手ビールメーカーと資本・業務提携するなど、地ビールメーカーでも経営戦略に違いが出始めている。
中小・零細業者が多い地ビールメーカーは、これまでもギリギリの製造体制で、かつ慢性的な人手不足の課題を抱えている。製造設備の老朽化対策に加え、円安による原材料価格の高騰も徐々に経営に影響を及ぼしつつある。地ビールメーカー同士の競合に加え、大手ビールメーカーの市場参入で、価格競争が加速化することも危惧される。ブームは続いても「品質」を維持し「安定供給」を継続するには、地ビールメーカーが取り組むべき課題は多いようだ。
好調期にもかかわらずイトーヨーカドーの閉鎖を行うセブン&アイ・ホールディングス。一方で相次ぎ買収を進めるイオングループ。M&Aで業界の潮目が垣間見える?
介護業界ではM&Aが盛んに行われているようだ。今後、介護・高齢者住宅の分野で、M&Aが活発になる業態はあるのだろうか。高齢者住宅新聞社の網谷敏数社長に伺う、第4回目。