地ビールメーカーの販売方法は、「自社販売(イベント販売含む)」が77社中40社(構成比51.9%)でトップだった。次いで、前年に20社(同26.3%)だった「酒販店等小売店への卸売」が26社(同33.7%)に増えた。地ビールメーカーの多くが、地元の直営レストランや売店での小売、イベント販売に軸足を置きながら、販路拡大に向けて「道の駅」や地元酒販店、コンビニエンスストア向け卸売にも力を注いでいる。
伸びている、あるいは今後伸びが見込まれる販売方法については、「酒販店等小売店への卸売」と「飲食店への卸売」がともに21社(構成比27.3%)で最多。次いで、「自社販売(イベント販売含む)」20社(同26.3%)と続く。直営の飲食店・売店等での直販をベースに、飲食店・酒販店・コンビニエンスストア向け卸売で成長を見込んでいる。
「ネット通販」は、現在の販売方法では1社(同1.3%)にとどまった。だが、伸びている、あるいは今後伸びが見込まれる販売方法としては8社(同10.4%)が、「ネット通販」への期待を寄せている。
有効回答77社のうち輸出に関して回答したのは76社だった。76社のうち、「しておらず計画もない」が51社(構成比67.1%)で最多。「輸出している」のは22社(同29.3%)、「現在していないが今後する計画がある」は3社(同3.9%)だった。
輸出をしているメーカーは、前年調査では17社(76社中17社で構成比22.4%)だったが、今年は5社増えて22社に達し、輸出を行っているメーカーの構成比は前年の約2割から約3割に増加した。
国内の地ビールメーカーは、イギリスで毎年開催される世界一のビールを選ぶ審査会「ワールド・ビア・アワード」で、「世界一」の表彰を受けた地ビールもあり、欧米や新興国に輸出を増やすメーカーもある。
しかし、ビール本場のドイツや、巨大消費地のアメリカなど海外の地ビールは、歴史も古く日本を超える市場を形成している。国内の地ビールメーカーは資本力に乏しく、小規模の生産設備で国内需要への対応が精一杯だ。製造能力的に輸出に踏み切れないことも背景にあるが、海外の数ある地ビールメーカーに対抗していくには、認知度だけではなく製造能力、販売力など、まだ克服すべき課題は多い。
円安の影響について尋ねた。2015年1-8月の出荷量が判明した地ビールメーカー77社のうち、円安に関する回答を得た73社について、円安の影響が「特にない」は46社(構成比63.0%)で最多。全体の6割が円安による影響はないと回答している。
しかし、20社(同27.4%)は「原材料費が上昇し、販売価格に影響し始めている」とし、円安による仕入価格の上昇が経営に影響を及ぼしつつあると回答している。
一方、「輸出が伸びている」は6社(同8.2%)で、円安による原材料価格の上昇を輸出の伸びで補うなど、円安を利用して積極的に海外輸出を伸ばしているメーカーもあった。
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