トップ > 調べる・学ぶ > M&A実務 > 企業価値算定 >【ストックオプション事例研究】Jトラスト新株予約権(有償ストックオプション)の発行

【ストックオプション事例研究】Jトラスト新株予約権(有償ストックオプション)の発行

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt

つまり、この有償ストックオプションは割当者にとって、下記の意味があることとなります。

・ストックオプション割当時に1円/株の払込が必要
・払込を行うと、Jトラスト株式会社の株を789円で取得可能になる
・よって、将来株価が上がった時(例えば1,000円/株になった時)に行使・譲渡すれば、211円/株(1,000円/株 - 789円/株)の譲渡益が得られる(譲渡益には20.315%の所得税しか課税されない
・ただし、ノックアウト条項に抵触した場合、ストックオプションを行使できるとは限らない。

有償ストックオプションには上記のようにノックアウト条項が付されることが通常であり、将来における行使の確実性が担保されないため低い価額(1円/株)で発行可能となります。(有償ストックオプションの発行自体はあくまでストックオプションの公正価値発行のため、取締役会決議による発行が可能)

なお、Jトラスト株式会社の2016年8月12日時点における前日終値は789円です。

今回発行の新株予約権を行使するためには、割当日である2016年9月30日から行使期間の終期である2021年9月30日までにいずれかの連続する5取引日の東証における終値がすべて1,578円を上回る必要があるため、ノックアウト条項としては厳しく、また、それゆえに1円/株という極めて低い価格での発行が可能となります。

文:株式会社Stand by Cホームページ 事例研究(2016.09)より転載

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5