女性の役員登用は道半ば 「女性役員比率」調査
東京商工リサーチの調べによると、2017年3月期決算の上場企業2,430社の役員総数は2万8,465人。このうち女性役員は957人で、全体のわずか3.3%にとどまっている。
業種別のトップは、建設業の711万8,000円。全業種で唯一700万円台に乗せた。前年トップの金融・保険業が1.8%ダウンし、集計を開始以来、初めてトップとなった。活発な建設投資を背景に、好決算が続出した上場ゼネコンが引き上げた。次いで、水産・農林・鉱業の694万6,000円、金融・保険業の694万円、不動産業の690万2,000円、電気・ガス業の690万1,000円の順。
一方、最低は7年連続で小売業の515万3,000円。次いで、サービス業の539万円と、下位2業種は500万円台だった。ただ、小売業とサービス業の年間平均給与は7年連続の増加で、深刻化する人手不足に対応した待遇改善に動いている姿が透けて見える。
伸び率トップは、電気・ガス業(前年比3.8%増)だった。安定業種の代表格だった電気・ガス業は、東日本大震災による原発稼働停止などで賞与カットが続いたが、2016年に5年ぶりに上昇に転じ、2017年3月期の伸び率は全業種でトップだった。続いて建設業(同3.1%増)の2業種が前年比3.0%以上の突出した伸びをみせた。
前年を下回ったのは、不動産業(同2.0%減)と金融・保険業(同1.8%減)など3業種だった。不動産業と金融・保険業は2016年に700万円台に乗せたが、そろってマイナスに転じた。不動産業では不動産価格の上昇は続くが、高騰による投資物件などの動きの鈍さが従業員の給与に反映した可能性がある。また、金融・保険業はマイナス金利や低金利競争など金融機関の厳しい収益環境が影響した。
個別企業の平均年間給与トップは、東京放送ホールディングス(TBSホールディングス)の1,661万5,000円だった。以下、朝日放送(1,515万8,000円)、フジ・メディア・ホールディングス(1,485万4,000円)と続き、メディア関連が上位を独占した。上位には例年通りテレビ、総合商社、大手金融機関が並んだ。また、上位50社のうち、約8割の43社は前年に続いてランクインしており、高水準給与の上場企業が常連化していることを示している。
増加率ランキング上位は、紳士服販売大手のはるやまホールディングス(前年比50.4%増)など、持株会社化や組織再編で従業員構成に大きな変動があった企業が中心だ。
平均年間給与1,000万円以上が47社(構成比2.1%)で前年より2社減少。社数の最多は500万円以上600万円未満で、630社(同29.0%)と3割を占めた。また、500万円以上700万円未満のレンジ内に1,225社(同56.3%)と、全体の半数が集中。平成27年分の民間企業の平均給与420万円(前年比1.3%増、国税庁調べ)と比較しても、上場企業の給与水準の高さを裏付けた。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年7月28日号に「平均年間給与ランキング」を掲載予定)
東京商工リサーチの調べによると、2017年3月期決算の上場企業2,430社の役員総数は2万8,465人。このうち女性役員は957人で、全体のわずか3.3%にとどまっている。