Bさんは、大手グループ企業の商業施設運営子会社に3カ月前に転職。テナント企画などの管理運営を担当している。試用期間が終わったばかりのある日、突然メールで「本社集合」の連絡を受ける。本社の会議室に行ってみると、全社員が集まり「会社が買収されました」と事後報告が。部長クラスも知らされなかった突然の発表にBさんは驚き、これからどうなるのか不安で、どうしてよいかわからない。
キャリア・コンサルタント(以下、CC):「会社が買収されると聞いて、どう思いましたか?」
Bさん:「とても信じられません。試用期間中にまさか会社が買収されるとは思いませんでした。転職を決めた理由のひとつに、大手グループだから安心というイメージがありましたから…。これからどうなってしまうのか…」
CC:「突然のことで不安ですよね…。Bさんのおっしゃる不安とは、どのようなものですか?」
Bさん:「そうですね…、安心して長く勤められるかどうかという点でしょうか。前職の在籍期間が短く、今度こそ長く勤めたいという気持ちが強かったので」
CC:「長く勤めることが安心につながるのですね。入社当時は長く勤めることでどうなりたかったのでしょうか?」
Bさん:「前職では業界の事情はつかめたものの、小さい会社でしたからどんな仕事もするなんでも屋だったんです。だから大手に転職し、安心して長く働ける環境下で着実にスキルを身に付けたかったのですが…。こんなことになってショックです。社長は代々親会社からの出向者が就任する決まりなのですが、買収の報告をした後、「では私はこれで」とあっさり退任され、親会社に戻られました。残された社員の多くが親会社から見捨てられたと感じているようで、社内の雰囲気も騒然としており、みな悪い方にばかり考えています」