ハリウッドも待ったなし! ネット配信と劇場の同時公開へ

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ハイブリッド配信の流れは日本でも

もちろん日本でも新型コロナの感染症拡大は、映画館の営業に大きな影を落としました。3月下旬になると日本でも都市部の映画館が週末の営業を休止、4月7日には政府の緊急事態宣言を受けて7都府県で営業を休止、さらに4月16日には全国の映画館へ休止が拡大、それから1ヶ月間、日本の映画館は完全に営業を休止しました。

緊急事態宣言解除後に多方面で営業再開が進みましたが、映画館の休業要請が緩和されるまでには3ヶ月もの期間を要し、自粛期間中に公開予定だった作品は、全て公開延期となりました。

そんな中で東宝映像事業部の『泣きたい私は猫をかぶる』が劇場公開されずにNETFLIXで全世界独占配信に切り替えると発表。また行定勲監督の『劇場』が映画館での公開と同じタイミングでAmazonプライムでの有料配信をスタートさせ、劇場公開とネット配信の併用を決めました。

また秋の東京国際映画祭では、劇場での上映を行う一方で、海外からのゲスト・審査員の招聘をあきらめ、関連イベントの多くはオンライン開催に切り替わりました。

【詳細】ワーナー・ブラザースがネット配信を決断までの道のり

ハリウッドの大作が軒並み公開延期を繰り返す中で、劇場公開を強行した作品がありました。それがクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』です。

常に革新的な作品を発表し続けるノーラン監督ですが、映画に関しては非常に保守的な考えの持ち主です。デジタル全盛期に未だにフィルム撮影にこだわり、CGを多用せず実物の大掛かりなセットを作って作品を撮り続けています。

何よりノーラン監督は、「映画は劇場で上映されるべき」という並々ならぬ思いを抱いています。自分の作品が大きなスクリーンで見られることを前提として、撮影の多くの部分にIMAXカメラを採用しているほどです。

そんなノーラン監督の劇場第一主義を貫いた『TENET テネット』は世界各国で劇場公開を決行し、アメリカでも新型コロナの影響が比較的軽微な郊外の劇場を中心に公開されました。

結果として、アメリカ(北米)での興行収入は決して高収益と言えるものではなかったものの、ハリウッド大作に飢えていた世界各地で相応のヒットを記録、日本でも興行収入が20億円を超えてきました。ノーラン監督の代表作である“ダークナイト”が3部作すべて10億円台の興行収入に留まっていることを考えると、これは大ヒットといっていい数字です。

このようにワーナー(とハリウッドメジャー)は劇場の営業再開を見据えながら作品の公開延期を重ねてきましたが、2020年が丸々“空白の一年”となることが見えてくると、必然的な流れとして“劇場公開以外”の方法を模索するようになりました。そして、先のディズニーの配信に続いて、ワーナーも系列のHBO Maxの活用を決断したのです。

ワーナーはまず、10月に全米公開予定だったロバート・ゼメキス監督、アン・ハサウェイ主演の『魔女がいっぱい』をHBO Maxで配信すると発表。これに続いて12月25日全米公開(日本では12月18日公開)のアメコミ超大作『ワンダーウーマン1984』を劇場とHBO Maxでハイブリッド公開することを決断します。

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