「ジェラート ピケ」のマッシュグループ、株式過半を米ファンドに売却

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ルームウェアブランド「ジェラート ピケ」などを展開するマッシュホールディングス(東京都千代田区)は11月16日、米投資ファンドのベインキャピタルに株式の過半数を譲渡すると発表した。年内に手続きを終える予定で、売却額は国内アパレルのM&Aとして最大級の2000億円規模と報じられている。

非上場ながら売上高1000億円超

マッシュホールディングスは1998年創業の非上場企業だが、2022年8月期の売上高は前期比14%増の1023億円と初めて1000億円を突破。EC事業を通じて中国、北米でも認知度が高まっており、営業利益は98億円を確保した。

新型コロナウイルスによる巣ごもり需要が一段落した中、ルームウェアを中心とするファッション事業の売上高は前期比18%増の795億円に拡大。コロナ以前の2019年8月期と比べても72%の伸びとなった。

コロナ禍が深刻化した2020年に立ち上げた「スナイデルホーム」の売上高は前期比94%増で、2021年にスタートした寝具用品の「ジェラート ピケ スリープ」も同107%増と右肩上がり。「コスメキッチン」などを展開するナチュラル&オーガニックビューティー事業の売上高もわずかながら前期を上回った。

譲渡は将来のIPOを見据えた判断

マッシュホールディングスは2023年8月期の売上高を前期比7.5%増の1,100億円と見込んでいるが、さらなる海外事業の成長と将来のIPO(新規上場)を見据えて売却に踏み切った。今後はベインキャピタルの投資知見を生かして事業基盤を一層強化し、グローバルな視点に基づく経営体制を構築して中・長期的な成長スピードの加速を目指す。

経済産業省によると、衣料品などの国内市場規模は1991年に15兆3,000億円に達したが、2020年は8兆6,000億円とほぼ半減。一方、1991年に51.8%だった輸入浸透率は2003年に90%を超え、2020年は97.9%を占めた。日本のブランドが持続的な成長を志す上では、需要が高まっているEC事業や海外マーケットに活路を求めざるを得ないのが実情だ。

「世界的なウェルネスデザインカンパニーを目指す」

ベインキャピタルは株式取得の契約締結後、マッシュグループの経営陣・従業員とのパートナーシップの下で支援に当たる姿勢を表明。グループの社長には創業者である近藤広幸氏がとどまり、引き続き指揮を執るとみられる。

マッシュホールディングスは「主力であるファッション、ビューティー、飲食事業にとどまらず、デザインや不動産、近年注目しているライセンス事業など、世界的なウェルネスデザインカンパニーを目指す」としている。

文:M&A Online編集部

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