最も取引総額が大きかった買収案件は、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収。141億2600万ドル(約2兆75億円)を投じて、全株式を取得する。日米をまたぐ鉄鋼業界の大型再編で、日本製鉄として過去最大のM&Aとなる。買収により日本製鉄の粗鋼生産能力は6600万トンから8600万トンに拡大し、目標とする「1億トン体制」に前進し、現在の世界4位から3位に浮上が見込まれる。
売却完了は2024年4~6月期または7~9月期を見込む...
小売業を対象とした2023年のM&A件数は52件と前年を14件下回った。50件台は2021年(58件)以来。コロナ禍初年の2020年77件と比べて25件の大幅ダウンとなるが、経済活動の正常化に伴い、かえって件数自体は落ち着いたともいえる。
米調査会社ディールロジックによると、第3・四半期の企業の合併・買収(M&A)案件総額は7174億ドルで、前年同期の7381億ドルから小幅減少した。欧州やアジア太平洋地域は低調だったが、米国が活況で、案件総額に占める割合は約半分に達した。
日本企業がかかわる海外M&Aが回復を遂げている。2023年上期(1~6月)の海外M&Aは前年を3割上回る94件で、コロナ前の2019年(上期、89件)を超えた。日本企業が買い手となるアウトバウント取引が復調が目立つ。一方、外国企業が買い手(日本企業が売り手)に回るインバウンド取引はコロナ禍以降、高止まり傾向が続いている。
2023年のM&A戦線は早くも第1コーナーを過ぎた。1~3月の上場企業によるM&A件数(適時開示ベース)は275件と前年を38件上回る好ダッシュを見せた。そんな中、最も多くのM&Aに取り組んだ企業はどこだったのか?