ニコニコ超会議
ニコニコ超会議


ニコニコ動画の会員数激減で収益力の高い企業への転換図る

では、なぜ出版業のKADOKAWAが「イヌア」オープンを担うのか。冒頭に挙げた疑問の回答はこうです。

  • ①何でKADOKAWAがレストラン?→業績が悪化してヤバいから
  • ②どうして自社ビル内?→本社を貸しビルにして稼ぎを得たいから

 

まずは①から。同社は業績が芳しくありません。4月26日に2018年3月期通期業績予想を下方修正しました。内容はこんな感じです。


売上高営業利益経常利益
下方修正前2120億円58億円62億円
下方修正後2067億円31億円37億円
増減額△53億円△27億円△25億円

要因は、2014年に経営統合したドワンゴの主力事業「ニコニコ動画」の会員数が伸び悩んでいるためです。経常利益は前期の実績84億円から約60%も下回る数値。大幅な減益となっています。ニコ動の収益を支えるプレミアム会員数は、2017年12月末の時点で214万人。9月末から14万人のマイナスで、会員数が減少に転じた2016年12月末から、減少幅は最大となりました。

プレミアム会員は月540円で高画質のまま視聴できるサービスや、「ニコニコ生放送」を優先的に視聴できるなどのメリットがあります。しかし、様々な動画サービスが誕生してニコ動の優位性は失われました。また、YouTuberの登場により、視聴者の多くが「ニコニコ生放送」から無料のYouTubeに流れる結果に。”実況”と呼ばれるリアルタイム配信で強味を発揮できなくなりました。加えて、若者のPC離れが加速。スマートフォンで気軽に動画配信ができる「ツイキャス」などにユーザーが流れてしました。

そんな中、「けもフレ騒動」が巻き起こり、ファンに追い打ちをかけます。けもフレ騒動とは、口コミから爆発的な人気を獲得したアニメ「けものフレンズ」 の監督が、KADOKAWAの一方的な通達により降板させられたというもの。SNS上で批判が相次ぎ、炎上騒ぎに。取締役専務の井上伸一郎氏がTwitterで発言する事態へと追い込まれました。同社のブランドは傷つき、ファン離れは加速したわけです。

収益改善が急務となった同社は、妙手を打ち出します。それが所沢移転計画。飯田橋にある本社を不動産収益に利用しようというものです。これが②に当たります。KADOKAWAは、外食事業そのものを大きく成長させるつもりはなさそう。それは、K's Labの代表者に編集畑出身の郡司聡氏を置いていることからも明らか。むしろ、不動産収益を支えるテナントのトライアルという位置づけが相応しいと考えられます。