1492年に起きた3つの出来事で、知らぬ人はいない最大の事件が、コロンブスの初航海の成功である。希代の冒険家であり、起業家、そして野心家だったイタリア・ジェノバ出身のコロンブス。彼は、足掛け10年以上にわたる長い資金調達ラウンドを成功させ、自身が持つ大いなる仮説「西回りでのインド到達」に向けて旅立つ...
1347年に欧州に上陸したペストは、ほどなく南欧イベリア半島に到達する。そして欧州各地で繰り広げられた惨劇が、この地でもまた繰り返される。ユダヤ教徒は隔離されたゲットーで生活し、衛生面や食事面でユダヤ教の厳しい戒律(コーシャ)を守っていた。
コロナ禍に直面している今、水面下ではコロナ新薬の開発をめぐって激しい競争が繰り広げられている。これは、もちろん開発に成功した場合の利権を狙ってのことだ。まさに中世でも同じことが起こった。引き金は伝染病のペスト。ペストの大流行は経済を変えた。
「株式会社」は大航海時代の商業活動から誕生した。しかし、世間で言われる「株式会社がイノベーションを起こした」は間違いで、「イノベーションが株式会社を生んだ」のである。それではイノベーションを起こす「源泉」は何か?物語は大航海時代から始まる。