一神教と疫病とコーポレートファイナンスⅨ│間違いだらけのコーポレートガバナンス(22)

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スペイン・バルセロナのコロンブス像

 2014年、離散ユダヤ教徒のスペイン国籍回復法が成立

    スペイン国家の名誉のためにひとつ補足するならば、現代のスペインの人々にとってもこのユダヤ人追放は長く尾を引く歴史の蹉跌だ。

    追放からおよそ520年後の2014年、スペイン政府は、1492年に追放したスファラディユダヤ人に対し、希望するすべての人に、スペイン国籍を認める法案を承認した。スペイン政府は、この法案の趣旨を「歴史の誤りを正すため」としている。筆者には、これは歴史に対する真摯な姿勢に思える。

      スペインを脱出したユダヤ教徒の多くは、ユダヤ教徒の弾圧が当時まだそこまで苛烈ではなかったポルトガルに逃れる。しかし、ポルトガルでもやがて迫害が激しくなると、ユダヤ教徒達は、オスマン帝国領域(現代のトルコ周辺域)、そしてオランダに集結することになる。

      スペインを追われたユダヤ教徒たちはオランダへ集結する(写真はイメージ)

      そこで彼らは、新たな歴史の幕開けに再び関与していくことになるのだ。このコラムの舞台も、スペインを離れ、オランダに移っていくことになる。しかしその前に、1492年に起きたもう3つ目の出来事について触れよう。

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      2021/09/25

      1347年に欧州に上陸したペストは、ほどなく南欧イベリア半島に到達する。そして欧州各地で繰り広げられた惨劇が、この地でもまた繰り返される。ユダヤ教徒は隔離されたゲットーで生活し、衛生面や食事面でユダヤ教の厳しい戒律(コーシャ)を守っていた。