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【会計コラム】役員報酬と報酬委員会の役割

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4.実例(コカ・コーラとGM)

例えばコカ・コーラでは、株主利益に沿った報酬体系となっているか、財務数値以外も考慮する必要があるか等を報酬委員会が検討し、検討結果を報酬委員会からのメッセージという形で開示しています。
The Coca-Cola Company Message from compensation-committee(英文)
The Coca-cola Company Compensation-strategy(英文)

また、GMでは10ページにわたる報酬体系の説明と、それに対する20ページの分析結果・見解をProxy Statementに乗せ、株主・投資家に公開しています。
GENERAL MOTORS 2018 Proxy-statement(英文)

日本ではここまで詳細な検討と開示を行っている会社は少数です。残念ながら、おざなりな開示、最低限の開示が多いのが実情です。

自分の報酬をできるだけ公表したくはない心理もわかりますが、この不透明さが日産の事件の背景にもあるように感じます。根拠も開示して堂々と報酬をもらうまでには、カバナンスにもう一段の成熟が必要そうです。

現実には社長が報酬委員会メンバーの候補者選びをすることも多く、その社長に向かってセンシティブな報酬の話を切り出すのは難しい面もあります。しかしながら、難しいからこそ報酬委員会の存在価値があるとも言えます。役員報酬を聖域扱いし続けることは難しくなってきているといえるでしょう。

本日も【ビズサプリ通信】をお読みいただき、ありがとうございました。

文:ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.089 2019.1.23 )より転載

三木 孝則

株式会社ビズサプリ CEO 公認会計士
学歴:1998年 東京大学経済学部経営学科卒業
職歴:1997年10月より青山監査法人に5年勤務。多様な業種(製造業、サービス業、ホテル業、保険業等)における財務諸表監査(日本基準、米国基準、IAS(現IFRS)等)を経験する。
その他、システム監査やデューデリジェンスにも従事。 その後、2003年1月から監査法人トーマツに転職し、エンタープライズリスクサービス部にて7年9カ月勤務。国内外の企業の内部監査や内部統制の導入コンサルティングやコソーシング、リスクマネジメント、システムに関わる業務改善等に主任として従事。また、一連のテーマに関する社内外のセミナー講師や機関紙の執筆等に関わる。専門家としてのコンサルテーションのみならず、複雑な環境下でのプロジェクトマネジメントや改善策の導入支援に強みを持つ。
2010年10月より独立し、株式会社ビズサプリを設立。IFRS導入支援やIPO支援等のコンサルティングを展開しつつ、現在に至る。
資格:公認会計士、公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、TOEIC900点
著書:•統制環境読本(翔泳社)•IFRS決算書分析術(阪急コミュニケーションズ)•ビジネスモデル分析術(阪急コミュニケーションズ)


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