帝国データバンクによると、2020年11月6日時点での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の倒産件数が累計で687件に達したことが分かった。9月末の600件から87件増加している。ところが一般倒産を含めた総倒産件数は、逆に減少しているというのだ。

リーマンよりも景気は悪いが倒産は当時の4割減

同社の調査では2020年度上半期(2020年4〜9月)の倒産は前年同期比5.2%減の3955件で、2000年以降で最少レベルに収まった。一方、内閣府によると2020年4〜6月期の実質GDP成長率は、前期比-28.1%とリーマン・ショック直後の2009年1〜3月期を大きく下回っている。

コロナ禍で日本の実質GDP成長率はリーマン・ショックを超えるマイナスに(写真はイメージ)

10月に公表した日本銀行の展望レポートでは、政策委員の2020年度実質GDP成長率見通しの中央値は-5.5%と、前回7月見通しの-4.7%から下方修正した。リーマン・ショックが日本経済を直撃した2008年度の倒産件数は1万3234件で、上場企業の倒産だけでも45件もあった。

しかし、上半期のペースのまま推移すると2020年度の倒産件数は8000件を下回り、リーマン・ショック時より4割も少ないことになる。景気はリーマン・ショックの時よりも悪化しているのに、総倒産件数が減少しているという摩訶(まか)不思議な事態が起こっているのだ。

倒産件数が減少した最大の理由は、金融機関の融資姿勢だ。金融機関は、かつて「晴れた日に傘を貸したがり、雨になったら傘を取り上げる」と揶揄(やゆ)されたように、景気後退期にさしかかると経営が不安定になった企業から融資を引き上げたり新規融資を断ったりしていた。だから不景気になると、キャッシュ不足でバタバタ倒産したのだ。

こうした反省からリーマン・ショック直後の2009年12月に時限立法の「中小企業金融円滑化法」が施行され、金融機関は中小企業から貸付条件の変更などの申し込みがあれば極力対応するよう義務付けた。