ひろゆき氏が買収した「4chan」、米銃乱射事件で捜査のメス

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法廷に向かうバッファロー銃乱射事件の犯人は「ネット掲示板から影響を受けた」という(Photo By Reuters)

訴追の可能性は低いが、捜査の手は及ぶ

買収後も4chanの広告収入や有料会員数は伸び悩み、2016年10月には西村氏が「このままでは運営が難しい」とネット上で告白。以来、同サイトは有志による支援とボランティアで運営されているという。4chanは性差別主義や人種差別主義の投稿が横行し、脅迫めいた投稿や個人情報の暴露も当たり前の「無法地帯化」していた。

犯人が女性の殺害写真を投稿したり、焼身自殺を生中継したりする事件があったほか、2015年10月には米オレゴン州ローズバーグの2年制大学で起きた銃乱射事件で、警官に射殺された被疑者による犯行予告が書き込まれた。2021年8月には米国下院特別委員会から、同1月に起こった米連邦議会襲撃事件の記録を提出するよう求められている。

米国では通信品位法230条のプロバイダ免責規定により、4chanのようなネットプラットフォームの管理者は投稿された第三者の発言に対しては原則として責任は問われない。とはいえ多発する差別的なヘイトクライムの背景には、こうしたプラットフォームの存在がある。そのためバイデン政権は通信品位法230条の撤廃を主張している。

管理人である西村氏が第三者による4chanの投稿で訴追される可能性は低いものの、捜査当局が証人を召喚して文書の提出を強制することは認められている。現時点で西村氏が4chanの管理運営にどれだけ関わっているかは分からない。ただ、オーナーである以上、西村氏に米国の捜査当局の手が及ぶことは十分にあり得ると言えそうだ。

文:M&A Online編集部

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