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くすぶる「第3次緊急事態宣言」発令、効果は期待できるのか?

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ワクチンの接種遅れで、感染のシーソーゲームに

まん延防止等重点措置は第2次緊急事態宣言と内容は、ほぼ変わらない。休業要請ができない、過料の金額が少ない、市町村単位で適用できるというのが主な違いだ。大きな効果は期待できないだろう。

大阪府や兵庫県のように感染力が強いウイルスの変異株が急拡大した場合は、感染を抑え込むために第3次宣言で第1次宣言と同様に対象業種を拡大して休業要請にまで踏み込む、あるいは欧米が断行したロックダウン(都市封鎖)などの厳しい措置が必要になる。

そうした厳しい感染抑制策が断行された場合、東京圏の経済損失がさらに約4兆円増えるとの試算もある。政府は景気の落ち込みに神経質になっており、衆議院選挙を控えて厳しい措置が取られる可能性は小さい。

先ずはまん延防止等重点措置で、それで食い止められなければ第2次宣言並みに緩い第3次宣言で自粛ムードを高めて感染を抑え込むのが政府の狙いだ。しかし、コロナワクチンの接種が進まない限り、措置や宣言が解除されれば人の動きが活発になって感染の再拡大が続くことになる。

日本のワクチン接種率は人口100人当り1.2人(101位)と国際的に見ても低い。わが国で65歳以上のワクチン接種が完了するのが6月末。5月11日までのまん延防止等重点措置に続いて第3次宣言を発令して自粛期間を引き伸ばしたとしても、現役世代の接種完了には間に合いそうにない。これまでのように宣言で感染を抑え、解除でまた増える「シーソーゲーム」が続きそうだ。

人口100人当りの新型コロナワクチン接種数

順位 国名

人口100人当り接種数

1 イスラエル 115*
2 セーシェル 107*
3 アラブ首長国連邦  92
4 ブータン  63
5 チリ  61
6 バーレーン  57
7 英国  57
8 モルディブ  54
9 モナコ  53
10 米国  53
 ︙
65 ロシア  9.2
 ︙
71 インド  7
 ︙
92 韓国  2.3
 ︙
100 ジャマイカ  1.4
101 日本  1.2
102 赤道ギニア  1.1

ニューヨーク・タイムズ調べ、2021年4月9日(米国時間)時点
*100を超えるのは、ファイザー製などで2回目の接種が進んでいる国

文:M&A Online編集部

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