国内販売台数ガタ落ちなのに自動車メーカーが「涼しい顔」の理由

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販売台数が減少した理由は「不振」ではなく「玉不足」(写真はイメージ)

コロナ禍が一息つき国内経済が上向いているにもかかわらず、自動車の国内販売が低迷を続けている。日本自動車販売協会連合会(自販連)によると2022年5月の登録車の国内新車販売台数は前年同月比18.1%減の26万1433台と11カ月連続で減少した。明日発表される6月の統計も同様だろう。それにもかかわらず自動車メーカーに焦りは見られない。日本経済団体連合会(経団連)によると、自動車業界の今夏のボーナスは平均93万3744円で前年夏を17.23%も上回っている。なぜ、こうも「涼しい顔」をしていられるのか?

「売れない」ではなく「売る玉がない」

最大の理由は販売減少の理由が「車が売れない」ではなく「売る車がない」からだ。同じ減少幅でも、両者で状況は全く変わる。「車が売れない」のであれば、値引きの原資となる販売奨励金を積み増したり、経営不振の販売店をテコ入れする資金が必要となる。つまり売上減とコスト増のダブルパンチとなる。当然、収益は悪化する。

一方、現状の「売る車がない」場合は売り上げこそ機会損失で減少するが、顧客からの値引き要請に応じる必要がないだけに販売奨励金は大幅に削減できる。販売店は新車が売れなくても利益率が高い中古車が高値で販売できるため経営は順調で支援の必要もない。売上減をコスト削減でカバーできるのだ。利益率は向上し、減収ながら増益の可能性もある。

とはいえ、自動車メーカーが何の手も打っていないわけではない。販売減の原因となっている半導体や自動車部品の調達難による生産台数の減少による収益ダウンを避けるため、高額車種の生産を優先している可能性が高いのだ。自販連の2022年5月の国内販売台数ベスト10のうち、最低価格が180万円以下の車種は全て前年実績を下回っている。

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