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レナウン、債権者集会で旧経営陣の責任追及へ

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本社が入るビル(東京・有明)

レナウン、旧経営陣の責任追及へ=第1回債権者集会

公開日付:2021.03.09

 2020年11月に破産した(株)レナウン(TSR企業コード:295833440、江東区)の第1回債権者集会が3月8日、都内で開催された。

 昨年5月、子会社による民事再生申立で再建を目指したが、初の緊急事態宣言の発令中で資金繰りが難航。管財人が主導し、コスト削減を進め、スポンサー選定では主力ブランドの「ダーバン」や「アクアスキュータム」の譲渡や子会社の株式譲渡を決めた。だが、再生計画は作成できず、破産を選択せざるを得なかった。2020年5月末のレナウングループの在籍者は3,991人だったが、破産手続き開始時(11月)は388人まで減少していた。

 破産管財人による資産換価の結果、資産残高(3月8日現在)は42億7,996万円となった。一方、優先的破産債権を除く破産債権は848件に対して82億2,979万円。財団・優先債権を弁済した後、中間配当する方針が示された。

親会社、山東妙意グループの売掛金回収

 レナウンの倒産は、アパレル不振による業績や財務悪化と新型コロナによる店舗休業でキャッシュが急減したことに加え、2010年に傘下入りした中国の繊維大手の山東妙意科技集団有限公司グループからの売掛金回収難が大きかった。破産管財人は山東妙意グループに対する合計約57億5,200万円の債権回収を目指し、中国にオフィスを有するアンダーソン・毛利・友常法律事務所に委任。今後も山東妙意には、連帯保証債務履行請求権の追及を進めていく方針だ。

ブランドや子会社の譲渡

 管財人は2020年6月、スポンサー選定の入札を実施。複数社から意向表明があったが、ブランドごとに事業譲渡することが弁済率の最大化となると判断し、以下の通り譲渡を実施した。

(対象ブランド事業 = 譲渡先 ― 譲渡額)

・「ダーバン」「アクアスキュータム」等=(株)オッジ・インターナショナル(TSR企業コード:570796652)―10億円
・「シンプルライフ」等=小泉アパレル(株)(TSR企業コード:571048803)―1億円
・(株)レナウンインクス(TSR企業コード:295423331)の全株式=アツギ(株)(TSR企業コード:350005117)―9億5,000万円
・(株)レナウンエージェンシー(TSR企業コード:291357725)の保険事業=銀泉(株)(TSR企業コード:570349524)―3,000万円
・(株)REDUインターフェイス(TSR企業コード:292341997)の一部事業=シーアイ・ショッピング・サービス(株)(TSR企業コード:291579280)―1億2,000万円

 また、子会社で休眠していた(株)ローゼ(TSR企業コード:750022655)は2020年7月に破産、(株)ダーバン宮崎ソーイング(TSR企業コード:900082968)は同年6月に民事再生法の適用申請したのち、9月に破産開始決定を受けた。そのほかの子会社は解散など清算手続きを進めている。

 ブランド譲渡や資産換価などで2021年3月8日までに61億6,226万円を得て、人件費や税金納付など18億8,230万円を支払い、資産残高は42億7,996万円となった。
 2020年11月27日現在の貸借対照表によると、優先的破産債権(労働債権)2億2,388万円、財団債権の公租公課が2億9,673万円、労働債権他が12億183万円、公共料金他が5億8,227万円、別除権付債権が358万円、一般破産債権が80億2,521万円で負債合計は103億2,994万円に達する。破産管財人の資料などによると、民事再生後資金が足りず、従業員への賃金未払いが発生したが、退職金も含めてすでに支払い済みという。

 管財人は、山東妙意に対する請求や、同グループへの売掛金回収に関してレナウン取締役(当時)が善管注意義務を怠った可能性があるとして責任追及を進める。すでに2021年3月4日付で、破産法178条の規定に基づき責任査定を申し立てている。
 現状の資産で中間配当を実施する予定だが、山東妙意グループからの回収次第で最終的な配当率は大きく変化する。
 第2回債権者集会は12月13日午後2時に予定されている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2021年3月10日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

東京商工リサーチ「データを読む」より

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