2022年の「上場中止」が早くも4社に、あと1社で昨年と並ぶ

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シノケングループ<8909>は17日、シノケンリート投資法人が3月8日付で予定していた東京証券取引所不動産投資信託証券市場(東証REIT市場)への新規上場を中止すると発表した。IPO(新規上場)中止は今年4社目で、2021年の5社に迫っている。

コロナ禍で過去最悪だった一昨年に迫る上場中止件数

シノケンリート投資法人はシノケングループの資産運用投資法人で、東京23区内の賃貸住宅を対象とするREITとて注目されていた。満足のいくレベルで資金調達を実現できない懸念が生じているのが上場中止の理由。シノケングループは今後、株式市場の動向を見極めた上で上場を判断するという。

今年に入ってからITコンサルティングのビッグツリーテクノロジー&コンサルティング、歯科用情報システム開発のノーザ、AIエンジン開発のトリプルアイズが上場を中止している。

2001年以降で上場中止が最も多かったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い景気が低迷した2020年の19件で、今年はそれを上回るペースで上場中止が発生している。

ワクチン接種者にも感染(ブレークスルー感染)するオミクロン株の流行や米国長期金利上昇に伴う金融引き締めへの警戒感、ウクライナ情勢の緊迫化などの不安定要因があり、当面は上場中止の発生が懸念される。日経平均株価も1月5日に2万9332円16銭をつけたが、2月18日には2万7122円07銭と低迷が続く。

2022年の第1号上場として2月3日に東証マザーズに初上場した訪問看護のリカバリー・インターナショナルの初値は2640円と公開価格の3060円を14%下回った。終値も公開価格から19%安い2472円で引けた。

通常、新規上場株は値上がりする。とりわけ新年の第1号上場は「ご祝儀相場」で上がるもの。その年の第1号上場での公募価格割れは、ブックビルディング方式が導入された1997年以降初めてという。

資金調達だけでなく企業イメージもあり、IPOによる公募価格割れは避けたい。株式市況が低迷すれば、企業もIPOに二の足を踏む。今年のIPOは波乱含みで始まったようだ。

文:M&A Online編集部

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