みなし共同事業要件に該当するか?

みなし共同事業要件についてざっくりまとめると、
一号~四号までのすべてに掲げる要件に当てはまるか」 あるいは 「一号&五号に当てはまるか」どちらかなら該当、ということになります。

一号

その適格合併シナジー効果があるか。(シナジー効果はなんでも構わない)

解説:一号の「相互に関連するものであること。」は「類似する事業」と勘違いされがちですがそうではありません。シナジー効果があれば良いのです。例えば、文房具事業と運送事業だったら、文房具配送が出来ますよね。

二号

合併事業と合併事業の規模(資本金でも売上でもOK)が5倍以内であること。(あまり開きのない合併であること。)

解説:二号の規模比較の要素はどれか一つでOKです。例えば、売上とか資本金とか従業員数とか。スーパーなら店舗数でも、駐車場業なら駐車台数でも、鉄道業なら線路の距離でも、なんでもいいので要素の一つがこの条件にあえばOKなのです。

三号

合併事業が継続して営まれていて、かつ、支配関係が生じた時から合併時まで規模(二号で採用した指標)がおおむね二倍超になっていないこと。(支配関係ができてから大きく事業が飛躍していないこと。)

四号

合併事業が継続して営まれていて、かつ、支配関係が生じた時から合併時まで規模(二号で採用した指標)がおおむね二倍超になっていないこと。(支配関係ができてから大きく事業が飛躍していないこと。)

五号

特定役員(常務取締役以上)が合併後も特定役員に就任することが見込まれていること。

ヤフー事件では、五号の特定役員要件を満たすために、ヒョィっとある役員を就任させて、その後、退任した、みたいなことが問題になったのです。(しかもそれが節税目的だったので)

国税庁のHPにも、『極端に短期間で退任したり、特定役員として就任はしたものの、実際にはその職務を遂行していない場合(名目的な特定役員である場合)などには、適格要件を形式的に満たすためだけに就任させたのではないかと見る余地もありますので注意が必要です。』と書かれています。

話を戻しますと、ご質問のような同族オーナー系のグループ会社間のケースでは、これらの要件が満たされている可能性が高いのが一般的だと思います。(つまり、一~四号に該当するか、あるいは、一号&五号に該当するか、のどちらかには該当するケースが多いと思います。)

従って、ご質問のケースでは、欠損金の引継自体には問題ないことが多い、という結論になります。

実務で携わる方は必ず条文の原文にあたり、適格合併に該当するのか否か、適格合併に該当したとしても欠損金・含み損が使えるのか、そうでないのかを慎重に検討してください。