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法律・マネー

退職金に関するオーナー経営者の3つの勘違い

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画像はイメージです。

退職金の勘違い!
役員報酬の減額や登記変更などをしていれば税務調査が入っても退職金は否認されない

正しい考え方は!
形式上だけでなく、退職の事実も徹底調査される

税理士・小林先生の見解

 退職金の税務調査は、それほどない。あったとしても、厳しくはない。そんな思い込みはないだろうか?
これは勘違い以外の何ものでもない。一般的な税務調査、あるいはそれ以上の厳しさで調査が行われるという前提で、きめ細やかな対策をとるべきだ。

 役員のみなし退職キーワード に伴い、役員報酬の2分の1未満の減額、登記変更、株主総会の議事録を用意するなどの対策をとっておけば、「税務調査が入っても、認められるだろう」と考えている税理士は多い。そのため、同じ認識を持っているオーナー経営者は多いはずだ。

 これくらいの対策は、対策とは呼べない。税務調査では新社長や役員はもとより、一般社員、取引先、金融機関にまで反面調査が行われることもある。そこでは、人事や営業などで大事なことを誰が決定しているかに焦点を当てて徹底調査が行われる。もし、この調査により経営に参加している実態が明るみになれば、全額否認もあり得る。
ここまでお話しても、退職金の調査など、そうそうないだろうと高をくくっている方もいるかもしれないが、私の顧問先企業でも退職金に対する税務調査が入ったケースが最近あった。

 これもごく最近の話だが、国税庁の職員の研修や、税務に関する研究を行う「税務大学校」の論文において、同族会社のオーナー経営者のみなし退職は厳しく見るべきだという内容を目にしたことがある。今後、退職金の税務調査がますます厳しくなると考えるべきではないだろうか。では、もし、退職金を否認されたら、実際にどれくらいの負担が発生するのか。

 全額否認された場合、損金扱いにならないため、退職金を払った企業側には法人税が発生する。併せて、受け取った本人も退職金が否認され役員賞与の扱いになると、所得税が大幅に増える。
これらに重加算税を加えると、退職金以上の負担が発生することもあり得る。
仮に、3億円の退職金が全額否認された場合、企業と個人合わせて4億円以上の負担が発生する可能性もある。
 退職金の否認を防ぐには、まず、従来から言われている形式的な対策をとるべきだ(下図参照)。

 この形式的な対策で私が特に抜け落ちやすいと感じるのは、株主総会を開催し、退職金の額や支払いを周知したという議事録の作成だ。
株主総会を開催せず、経営者自身が便宜的に作成するケースも見受けられるが、役員全員に反面調査が行われれば退職金を周知していないことが露見する。
また、先ほど申し上げた通り、形式的な対策だけでは、対策とは呼べない。
常勤状態の出社や、経営の重要事項の決定には参加しないようにし、「経営から退いた事実」をつくることが重要だ。

 創業者や元社長は、会社に頻繁に顔を出すだけで、権限が強くなってしまいがちだ。たとえ、出社頻度を減らしたとしても、自社株の大半を所有していれば、周囲は意見を聞かざるを得ない。
逆にいえば、経営者自身がよっぽど意識して退職しない限り、「経営から退いた事実」をつくることは難しいといえる。この点に留意して退職の準備を進めていく必要がある。

税制・税務

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