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中小企業政策、エクイティ・ファイナンス活用などを促進へ
中小企業庁は3月30日、中小企業政策審議会金融小委員会を開き、資金調達などの課題を整理した。成長志向の中小企業に対するエクイティ・ファイナンス(新株発行による資金調達)の活用促進やサーチファンドの取り組みについても支援すべきとした。
中小企業庁は6月6日、中小企業政策審議会金融小委員会(委員長・家森信善神戸大学経済経営研究所教授)の中間とりまとめを公表した。コロナ禍で悪化した資金繰りを支えるため、経営者の個人保証を不要とする創業時の信用保証制度創設などを提言。事業承継やM&Aなどを契機とした成長資金の確保に向けては、エクイティ・ファイナンス(新株発行による資金調達)の活用を促す施策を求めた。
2月17日に設置された金融小委員会では、エネルギー価格などの高騰にも見舞われている中小企業の成長を中・長期的に支えるため、ウィズコロナ・ポストコロナの間接金融と新たな資金調達のあり方を論議してきた。具体的には①中小企業と投資家の接点強化②中小企業の挑戦志向の後押し③中小企業向け投資の後押しーの3点について、効果的な施策の方向性を探ってきた。
中間とりまとめによると、日本では創業時の融資で経営者保証を求める慣行が創業意欲を阻害している可能性があると指摘。信用保証協会が新たな創業保証制度を設けるべきとし、商工組合中央金庫と日本政策金融公庫にも経営者保証を求めない創業融資の拡大を促した。
また、国の「経営者保証に関するガイドライン」の周知を強化する中で「経営者保証を外せるかもしれない」というメッセージを強調し、官民金融機関・信用保証協会が既往債務の経営者保証解除にも取り組むよう求めた。
事業承継時の経営者保証を不要とする事業承継特別保証制度の利用件数が、2022年3月末時点で559件にとどまる点にも言及。中小企業の2021年度決算ではEBITDA(税引き前利益に特別損益・支払利息・原価償却費を加算した値)有利子負債倍率が10倍以内の割合は37%で、15倍以内の41%と同程度だったことから、制度の要件を現行の「10倍以内」から「15倍以内」に緩和するべきとした。
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中小企業庁は3月30日、中小企業政策審議会金融小委員会を開き、資金調達などの課題を整理した。成長志向の中小企業に対するエクイティ・ファイナンス(新株発行による資金調達)の活用促進やサーチファンドの取り組みについても支援すべきとした。