ロームが見せた加速度センサーの買収戦術 スマホにみる見る電子部品サプライヤーM&Aの相克(1)

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Rohm

■最も象徴的なカイオニクス社(Kionix)の買収

その中で、ロームは、加速度センサーも含めた半導体部品の製造能力を一貫して強化してきており、M&Aにも積極的だった。

2000年以降のM&Aは8社、9件(2009、2010年に、SiCウエハー製造の独・サイクリスタルの株式を相次いで取得。下表参照)を数え、半導体部品の供給体制を一貫してロームは強化し続けてきた様子を見て取れる。

ロームの近年のM&A

買収時期 買収先会社名 事業内容 取得価格(百万円) 備考
2015年7月 Powervation (アイルランド) クラウドコンピューティングや通信分野で活用されるサーバー、ネットワーク機器やストレージで使われるデジタル電源制御LSIの開発と販売 約86億8700万円 デジタル電源ICの独自技術を持つPowervationを完全子会社化。ロームはアナログ電源ICの開発販売を行っていた
2015年4月 ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング(日) 8インチのシリコンウエハーの製造と販売 - 8インチのフロントエンドウエハーファブリケーションラインをルネサスセミコンダクターから取得。ロームは滋賀工場の建物と土地を取得し、ウエハ―ファブリケーションラインのリースを受け、パワー半導体とピエゾ電子MEMSデバイスの製造機能を強化
2010年4月 SiCrystal (独) 家電や光学機器、センサーなどの用途に向けた
次世代パワー半導体の製造に使われるSiC(シリコンカーバイド)ウエハーの製造と販売
- SiCrystalの株式をさらに、25%取得
2009年10月 Kionix(米)
スマートフォンに搭載される微細加工技術のMEMSを用いた
加速度センサーなどの製造・販売
約208.3億円 世界を代表する米国 MEMS加速度センサのサプライヤーKionix(カイオニクス社)を買収
2009年7月 SiCrystal (独) 家電や光学機器、センサーなどの用途に向けた 次世代パワー半導体の製造に使われるSiC(シリコンカーバイド)ウエハーの製造と販売 - 独ジーメンスから74%の株式を取得し、SiCウエハーの供給機能を強化
2008年5月 OKI セミコンダクタ(日) システムLSI、ロジックLSI、メモリLSI、高速光通信デバイスの開発
製造・販売、ファンダリサービス
約1000億円 前身は沖電気工業の半導体事業部門。のちに「ラピスセミコンダクタ」社と名を改め、大容量のリチウムイオン電池の状態を監視するLSIの開発などに取り組む
2008年5月 Lumiotec(日) 照明用の有機ELパネル(OEL)の製造・販売 約14億円 三菱重工業、Mitsui & Co., Ltd、Mr Junji Kido、凸版印刷らと共同でジョイントベンチャーへ出資
2005年6月 Sonaptic(米) ノイズキャンセリングなどの携帯などに向けた
音響製品の開発と販売
- 2000年代前半にスタートを切った米ベンチャーの1社で、モトローラベンチャー、ペンテックベンチャーらもSonaptic Ltdの株式を保有していたが、ウォルフソン・マイクロエレクトロニクス(米)がSonapticを2480万ドルで2007年に買収した
2003年9月 LSI Logicの筑波半導体工場 半導体製品の製造工場 約26億5000万円 2013年には同工場の操業を停止

M&A Online編集部作成

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