英ネットニュースのインディペンデントは、ショイグ露国防相との打ち合わせを伝えるビデオで、プーチン大統領が12分間にわたって姿勢を維持するためにテーブルの端を握りしめている様子が伝えられたと付け加えた。
報道では「血液がん」とされているだけで具体的な病名は不明だが、一般に血液がんでは白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の患者が多い。血液がんは化学治療が中心だが、白血病などの場合は骨髄移植をする場合もあり、「ウクライナの侵攻を命じる直前に、プーチン大統領が血液がんに関連して背中の手術を受けた」との報道とも一致する。
血液がんは治療法がほぼ確定しており、5年間生存率は6割から9割と決して低くない。しかし、米ニューヨーク・ポスト電子版は「プーチン大統領が若いトナカイの角から採取した血液ふろに入浴している」と、にわかには信じがたい情報を伝えた。これが事実だとすれば、プーチン大統領の病状が現代医学では手が施しようもないほど悪化していることを示唆している。
血液がん治療では免疫を抑制するため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染するリスクが上昇するという。プーチン大統領が長いテーブルを隔てて会話するシーンが話題になったが、血液がんに罹(かか)っているのなら説明がつく。
「弱腰」に見える変化の裏には、重病で戦争指揮どころではないプーチン大統領が、国益を損ねても早期の紛争収拾を模索している可能性がありそうだ。とはいえ、油断はできない。第一報を出した米雑誌のニューラインズは「血液がんの治療薬としても投与されるステロイドには、精神病を引き起こす副反応もある」と指摘している。
問題はニュースソースだ。ニューラインズはフォーブス・ロシア版で資産上位200位以内に入る国外滞在者のオリガルヒがプーチン大統領の健康問題について西側のベンチャーキャピタリストと会話している録音テープを入手したという。
図らずも情報を漏洩することになったオルガルヒは「彼(プーチン大統領)はロシアの経済、ウクライナの経済、そして他の多くの経済を完全に台無しにした」と厳しく批判。ロシア経済の先行き不透明感に不満を募らせていることが分かる。
ロシア経済はEUのエネルギー輸入停止が本格化する今年末までは、大きな影響はなさそうだ。しかし、エネルギーの「脱ロシア化」が進めば、侵攻終結後も影響は続く。しかもロシアへの経済制裁をきっかけにEUが再生可能エネルギーへのシフトを早めれば、ロシアは主力の輸出製品である化石燃料で最大のお得意先である欧州市場を永遠に失うことになる。オルガルヒが焦るのも当然なのだ。
文:M&A Online編集部
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