マネジメント偏重では高難易度の事業再生は無理

最後の「競争劣位企業」であるが、この場合、「競合に対してどれだけ劣っているのか」「競争優位を確立できる長所はないか」「長所があるとして、どうしたらその長所を伸ばして収益に寄与させられるか」といった点を順々に確認、検証していく。

一定の割合で、経営の仕組み(システム)だけでなく、コンテンツ(商品やサービスそのもの)の創出価値が低下していたり、ビジネスモデル、マネタイズのモデル自体に綻びが生じているケースがある。

この場合、単に「PDCAをまわす」とか「マネジメントをテコ入れ、強化する」というマネジメント偏重のアプローチでは業績を改善できない。コンテンツそのものが顧客に対して創出する価値を組み立て直すか、磨き直さないといけない。いわゆる「商売」視点で顧客に刺さる商品やサービスを生み出さないといけない、ということだ。

飲食店を運営する企業を例に挙げれば、お店の料理の味がまずいのに、ひたすらプロモーションや集客方法だけテコ入れしても、穴の開いたバケツに水(顧客)を入れるように効果を生み出せない(売上、利益を創出できない)、ということ。この場合、料理の質やメニュー、レシピ自体を抜本的に改善させる必要があるのは言うまでもない。

なぜこのような言い回しをするかといえば、日本の事業再生の領域においてはマネジメント偏重の経営者がとにかく多いためだ。こういったタイプの経営者は、事業自体は堅実だが、組織体制や人材の配置が非効率、という状況か、優秀な中間管理職がいて、基本的に彼ら現場の人間に聞けば改善策が出てくる、という状況でしか力を発揮できない。

しかしながら、主事業の競争力が著しく低下している企業では、現場(社内)は答えを持っていない。その場合、経営者自らが”商売人感覚”の視点でその事業そのものや商品、サービスを見直し、”売れる”ようにしていかなければならないのだ。