こんにちは、柳川隆洸です。
新月のタイミングに合わせて毎月1回、「ビジネス×占星術」の内容で連載をしています。
西洋占星術では1ヶ月の始まりを新月としており、新月の星配置を見ることで1ヶ月の社会的傾向を知ることができます。
まず、今月の12月1日の新月からこの1ヶ月間を振り返ってみたいと思います。
12月20日頃からは、拡大を司る木星と、制限を象徴する土星がハードな角度を形成していました。この一見矛盾するエネルギーが作用した結果、経済的停滞感や財政難、さらには漠然とした不安に包まれる可能性をお伝えしていました。
実際、この時期にアゼルバイジャン航空機の墜落事故や韓国での旅客機事故が相次ぎ、またジョージアで新大統領が就任後、EU加盟交渉が凍結されたことで、国民に大きな不安と不満が生まれました。
そんな中での12月新月からの星の影響を見てみましょう。
新月は12月31日7:26です。
1月1日から1月6日にかけて、攻撃性を象徴する火星と破壊を示す冥王星が180度で非常にタイトに結びつきます。これは対立する勢力同士の衝突や、脅し・策略、復讐心の再燃などが表に出やすくなることを示唆しています。ただし、同時に火星に対して「温和」を意味する海王星がポジティブな影響を与えているため、平和的な解決策で相殺される可能性も期待できるでしょう。
ただし、火星と冥王星の強い結びつきは1月1日から1月6日がピークですが、その前後もゆるやかに影響が続くため、破壊的な衝動には注意が必要です。これは世界情勢だけでなく、私たち個々の生活にも関係し、刹那的な怒りなどの感情を爆発させてしまうリスクが高まります。自制心を意識して、冷静に対処することを心がけてください。
また、新月からの1ヶ月を通じて、木星と土星も引き続きハードな角度を保つため、世間全体が「思うように進まない」もどかしさを感じやすい時期ともいえます。解決策が見えているのに一向に解決が進まない、という閉塞感に苛立ちを覚える場面が増えるかもしれません。
さらに、1月15日頃からは冥王星に対し土星もハードに作用し始め、1月22日頃には太陽が冥王星に近づく影響で、社会全体が深刻なムードに包まれそうです。重苦しい空気が漂いやすい時期ですが、この雰囲気が緩和されるのは1月31日頃になりそうです。革命の天体といわれる天王星が逆行を終えて順行に戻ることで、それまで続いていた復讐心を煽るような星の影響が和らぐことが期待されます。
総じて、1月全般はやや困難を含む星の配置が続きます。重要な意思決定を行う際には特に慎重を期すことが望ましいでしょう。焦らず状況を見極めつつ、冷静な判断を心掛ける必要がありそうです。
毎月気になる企業をピックアップし、その企業の占星術的な視点からポイントをお伝えしています。
今回は前田建設工業株式会社(1946年11月6日設立)を取り上げました。
創業以来の技術力と現場力を強みに、国内外で総合建設業を展開してきた企業です。同社が2020年1月に東証1部(現・東証プライム)上場で、持ち分法適用関連会社の前田道路に対して子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)の実施を発表。
これに対して前田道路が同日付で前田建設が保有する全株式を自己株取得して、前田建設工業との資本関係の解消を提案する書面を送付。併せて前田道路がTOBに反対意見を表明し、異例の関連会社への敵対的TOBとなり、3月12日に成立しました。
そこで、「お家騒動」と騒がれたTOBで関連会社の前田道路を力づくで子会社化した前田建設工業のこれまでに動きと、そもそもこの強引な子会社化は当時の運気から見て正しい判断だったのか?さらには今後の課題をホロスコープで確認したいと思います。
最初に、前田建設工業の企業傾向を占星術で見ていこうと思います。
まず企業の推進力を意味する太陽が蠍座に位置しています。さらに太陽のすぐ近くには「拡大・発展」を象徴する木星があり、これは企業にとって非常に有利な星の配置といえるでしょう。
同社がこれまでダムやトンネル、橋梁といった土木工事から、超高層ビルやマンション、病院など幅広い建築工事まで手がけ、高度な技術力を培ってきた背景は、この太陽と木星のエネルギーが強く作用しているからだと考えられます。
とりわけ山岳土木やダム建設で培った技術力は業界内でも高く評価されており、創業から現在に至るまで探求を続けてきた熱意と突破力は、蠍座の「一つのことを究極まで深める」という特性をよく表しています。
また、太陽・木星とつながりのある獅子座には冥王星が位置しており、しかも土星も獅子座に重なっているため、何か問題が起きても正攻法で正面突破する力強さを示しています。蠍座と獅子座が結びついている場合、エネルギーをうまく活用するには相当な工夫が必要です。
しかし前田建設工業は、あらゆる困難をはねのけながら独自に改善・工夫を続けた結果、他社と大きく差をつけるまでに至ったのではないかと推測します。そのぶん同社が乗り越えてきた苦労や労力も相当なものだったことが、ホロスコープからうかがえます。
強運を持ちながらも難題を次々と解決しなければならない企業であり、成功法でそれを突破し続ける力を備えた企業。これが前田建設工業の特徴といえるでしょう。
ただし、蠍座と獅子座の組み合わせは非常に頑固で、「これ」と決めたら曲げない強い一面があります。建設業界を取り巻く環境変化が近年ますます激しくなるなか、企業には柔軟な発想や迅速な対応が求められています。
そうした時代背景を考えると、同社にとっては“最も苦手”と思えることを今後担わなくてはならない時期に入っていくとも読めます。まさにこのタイミングで同社は、風の星座の特徴を色濃く持つ“現代的”なホロスコープを持つインフロニア・ホールディングス株式会社を設立しました。
前田建設工業単独では乗り切れない今後の時代の潮流を、インフロニア・ホールディングスが補完する形がうまく進めば、同社の安泰は続くでしょう。
では次に、前田建設工業の今後の流れを見てみようと思います。
まず、世間を騒がせた「お家騒動」ともいわれる、2020年1月に関連会社である前田道路株式会社に対して仕掛けたTOBの時期を見てみます。当時は力押しのTOBという印象が強く、「近親憎悪」のようにも受け取られました。
そのため「本当に正解だったのか」と疑問視されがちですが、ホロスコープ上はむしろ同社にとってベストなタイミングだったことがうかがえます。つまり、前田建設工業としては今回のTOBはポジティブな判断であった可能性が高いというわけです。
これだと世間の反応とのギャップが大きいので、同時期の前田道路のホロスコープも確認してみると、やはりちょうど2019年から2020年にかけてサターンリターンを形成していました。サターンリターンは企業にとってもっとも困難や試練が浮上しやすい時期とされ、ウィークポイントが露見してそこをクリアしないかぎり、厳しい状況が続いてしまう典型的なタイミングでもあります。
つまり、表面的には前田建設工業がTOBを「仕掛けた」形に見えますが、実際には前田道路のほうに何らかの問題があり、それを救済するような動きだったのではないかとも考えられるのです。
外部から見れば非常にドラマチックで強引な展開だったかもしれませんが、同社自身は「欲しくて困ってる物件がちょうど流れてきたので手に入れた」という感覚に近かったのではないかと思われます。
TOBの結果としてよく言われる懸念点は、シナジー効果が十分に発揮されるのか、そして前田道路が同社の発展の足を引っ張らないかという点です。
しかし今後の前田建設工業のホロスコープを見るかぎり、しばらくは順調に推移する可能性が高く、目立った大きな問題は起きにくそうです。前田道路とのシナジー効果も、そこそこ期待できるのではないかと見ています。
ただし、2030年4月頃から3年ほどのあいだは、同社にとって大きな変容を迫られる時期となりそうです。これは前述したように、時代の急速な変化に企業の頑固な体質が適応できなくなり、大きな痛みを伴う改革が必要になることを示唆しています。
2030年を見据え、インフロニア・ホールディングスを設立したのだとすれば、同社は盤石な体制でこの変革を乗り越える可能性が高いといえるでしょう。前田道路へのTOBからインフロニア・ホールディングス設立に至るまでの一連の流れが、本格的に成果となって見えてくるのは2030年以降だと考えられます。その動向を注視していきたいところです。
*次回公開予定は2025年1月28日です。