派手なキャンペーンが影を潜めているスマホ決済サービスだが、10月の消費税率引き上げに向けた競り合いが静かに続いている。

政府は消費税率引上げに伴い、キャッシュレスで決済した消費者に支払い額の最大5%分のポイントを還元する。これを機に一気にキャッシュレス決済が拡大するものと思われる。

スマホ決済サービスを提供している事業者は、10月までに自社のサービスが使える店舗を増やすとともに、多くの利用者を取り込むことで、消費税増税後の競争で優位に立てることになる。

そこで地道な陣取り合戦が繰り広げられているわけだが、水面下では熾烈な戦いが展開されているはず。スマホ決済サービスを提供している事業者の最近の動きを見てみると。

インバウンドの取り込みに意欲

LINE Payは8月9日から11億人以上が利用している中国のWeChat PayをLINE Pay加盟店で使えるようにした。店舗に掲示されたQRコードをWeChat Payで読み込むことで簡単に決済ができる。既存店については同日から順次対応していくという。

LINE Payを新規に導入する店舗についてはWeChat Payも合わせて加盟店申請ができ、WeChat Payの加盟店手数料をLINE Payと同じ2021年7月31日までは0%とした。

一方、WeChat Payのユーザーは普段使っている決済サービスが日本国内で利用できるため、訪日のために新たな決済手段を用意する必要がなくなる。LINE Payではこうしたメリットを武器に年間800万人を超える訪日中国人観光客を取り込んでいくと意気込む。

サッカー場で利用可能

メルカリ<4385>は8月10日から鹿島アントラーズ・エフ・シー(茨城県鹿嶋市)が運営するカシマスタジアムのオフィシャルショップなどでスマホ決済サービス・メルペイを使えるようにした。

メルカリは7月30日にプロサッカーチーム鹿島アントラーズを運営する鹿島アントラーズ・エフ・シーの61.6%の株式を取得し子会社化することを決めており、今回が連携の第一弾となる。

メルペイが利用できる店舗はオフィシャルショップのほか、カシマサッカーミュージアム、カシマウェルネスプラザで、取り扱い店舗は順次拡大してく予定という。

メルペイはフリマアプリ・メルカリの売上金や、銀行預金をチャージすることで、スマホ決済ができるサービスで、メルカリをはじめコンビニやドラッグストア、ファストフード店などで利用できる。

同社ニュースリリースより

10カ月で利用者が1000万人突破

100億円あげちゃうキャンペーンなどの派手なキャンペーンで話題を集めたPayPayは8月7日に登録ユー ザー数が1000万人を突破したと発表した。

2018年10月5日にサービスを開始してから約10カ月での1000万ユーザー到達で、この成果について「キャンペーン効果をはじめ、国や地方自治体、他のキャッシュレ ス決済事業者などによるさまざまなキャンペーンなどによってキャッシュレス決済の機運が高まった結果」としている。

また加盟店は8月8日時点で100万カ所を突破し、累計決済回数が1億回を超えたことも明らかにしており「日常的にPayPayを利用する習慣が根付き始めた」と分析している。

消費税率引き上げまであと1カ月半ほど。夏の陣はまだまだ続く。

文:M&A Online編集部